この世界の片隅に(中巻)を読みました【その①ネタバレ注意】

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マンガ名:この世界の片隅に 中
著者  :こうの史代
掲載誌 :漫画アクション
出版社 :双葉社

以下、ネタバレ含みます。

なお、前の話が気になる方は上巻その3を先に読んでください。

ストーリー その1

19年7月

義母は義姉ケイコの離縁についてすずに語ります。モダンガールであったケイコは黒村という男性と恋に落ち、結婚。一男一女をもうけますが、黒村は病気で亡くなってしまいました。義実家と馬が合わなかったケイコは黒村家とは離縁したのです。息子を跡取りとして残し、娘の晴美を連れて北條家に戻ってきました。黒村家は下関へ引越すことになり、ケイコは息子と離れてしまうため、落ち込んでいるようでした。

シーンは変わり、すずは雑記帳に呉の海岸線と軍艦の絵を描いていました。それを憲兵に見つかり、「海岸線を写生しよった間諜(スパイ)行為じゃ」と北條家まで連れていかれて怒鳴られます。渋い顔で謝罪する義母たち。

周作もちょうど職場から帰宅します。事の顛末を聞いた周作はすずを部屋に呼び小さな帳面を渡します。「これなら小さいから海外線も描けないだろう」と言う周作。軽率だったと反省するすずに、北條家の面々は笑いをこらえるのをやめて大笑いします。

どうやら、憲兵さんの前で渋い顔をしていたのも笑いをこらえていたようです。こんなにおっとりしてぬけているすずがスパイ行為なんて…!とスパイに勘違いされたことが可笑しくて仕方がない様子。皆の笑顔をみて、自分も笑顔になるすずなのでした。

感想 その1

お義姉さんの事情が明らかになりました。まだ小さいわが子と引き離されてしまったのは辛いですよね。

そしてすずさん、スパイとして捕まらなくてよかったです!当時は本当に海外線の写生をしただけでもスパイ行為とみなされて捕まる事件があったと聞いたことがありますから、これも事実をもとにしたエピソードですね。ここで北條家が怒るではなく笑ってしまうところが良いですよね。

ストーリー その2

19年8月

闇市で砂糖を買うことになったすず。闇市にはスイカや生地など様々なものが売っていますが、砂糖の値段がなんと配給の60倍。あまりの高さに驚くすず。こんなに物が高い国で生きていけるのかと不安になります。

そしてその帰り道、道に迷ってしまい見知らぬ通りへ。帰り道がわからず、疲れてしまったすずは電柱の下で休みます。スイカとキャラメルの絵を地面に描いていたところ、すずに声をかける女性が。すずと同年代のきれいな女性で浴衣を着ています。すずに帰り道を教えてくれた上で、持っていた紙にすいかの絵を描いてくれと頼みます。また来ると告げるすずに、「こんな所へさいさい来るもんじゃない」とやんわり断る女性。その通りを出て、ここが遊郭街であり、先ほどの女性が遊女であることに気づくのでした。

19年9月

家事をしているすずに周作から電話が入ります。忘れ物を届けてほしいと言われ、周作の職場(軍の施設)を訪れるすず。周作は職場から出てくるとすずを映画に誘います。どうやら今日はもう仕事は終わりで、すずをデートに誘うためにウソの忘れ物を頼んだのでした。

家には義両親や義姉もいるのでたまには息抜きが必要だと声をかけてくれる周作に、喜ぶすず。なんて微笑ましい2人なんでしょうか~!

映画を観るために呉の街に出た2人。その日はちょうど軍艦が寄港しており、街は水兵さんで溢れていました。すずは偶然にも水原に会ってしまわないかと恥ずかしがり、周作の後ろに隠れながら歩きます。

橋の上で川をみつめる2人。住む町も仕事も苗字も変わって困ることも多いが、周作さんが親切にしてくれて、友達もできた…今この現実が夢だとしたら、夢から覚めたくないと語るすず。

そんなすずに周作は「あんたを選んだことがわしにとって最良の現実」と言葉をかけます。すずが少しやせたことを心配する周作。何かを思い出したように赤くなる2人。

シーンは変わり、すずは再び遊郭の女性を訪ねていました。女性の名は『白木リン』といいます。文字が読めないと言うリンに、名札を書くときに困らないかと聞くすず。しかし、リンは自分の名札をちゃんと持っていました。親切なお客さんが書いてくれたそうです。名前と住所、血液型が書いてありました。

リンに先ほど婦人科の病院に行った帰りだと打ち明けるすず。前の周作とのやり取りで妊娠を疑ったすずでしたが、結果は妊娠ではなく栄養不足と環境の変化による月のめぐりが悪いだけと診断されたようです。落ち込むすずに、リンは「誰でも何かが足りないせいでこの世界に居場所はそうそう無くならない」と励まします。有難うとお礼を言うすず。

19年10月

呉の街は空襲警報が激しくなってきました。北條家は家が焼けた時に備え、山すそに住む義母の弟の家へ必要最小限の荷物を移すことにしました。納屋の2階を借りて荷物を整理するすず。その際にリンドウの絵の描かれた茶碗を見つけます。

縁側で休憩していると、叔母が「周作さんは働き者で大らかな良いお嫁さんをもらって好かった。周作も明るうなった」と褒めてくれます。そして「一時の気の迷いで変な子に決めんでほんま良かった」とも話します。周りが凍りつくなか、褒められたことを素直に喜ぶすず。

すずが屋根に干した布団を裏返すために屋根に上ると、そこにはすでに周作がいました。叔母の話が聞こえていたようですが、気まずくなって降りられなかったようです。周作は「おしゃべりな叔母さんじゃ」とたしなめます。すずが納屋で見つけたリンドウの茶碗の話をすると、周作は「あの茶碗はすずさんがもらってくれ、嫁に来てくれる人にやろうと思って昔買った物じゃった」と言います。すずは素直にお礼を言います。

ある日、すずが近所で竹を切っているとリンドウの花を見つけます。すずはリンの姿とリンドウの茶碗、リンの名札と周作の姿が重ねました。過去の2人に何か関係があったのではと勘づくすず。慌てて部屋に戻り、以前周作がくれた小さな帳面がリンの名札と同じ紙であることを確かめ、しばし茫然とします。

「…そりゃあもともと知らん人じゃし、色々あってもおかしうない。ほいでもなんで、知らんでええことかどうかは知ってしまうまで判らんのかね」と一人つぶやくすず。

19年11月

ある日、すずは落ち葉を使って炭の代用品を作っていました。その日の夜、なんとなく気まずい雰囲気に、周作はすずに子供が出来ないのを気にしているのかと聞きます。その質問にすずは「…代用品のことを考えすぎて疲れただけ」と答えるのでした。

感想 その2

新しくすずにリンさんというお友達ができました。きれいで儚げな雰囲気です。妊娠できなかったことに落ち込むすずを暖かく慰めるシーンはじんときました。

そして、何の偶然かこのリンさんと周作さんの間に昔何かあったようなんですね。ヤキモチでモヤモヤした思いを抱えるすず。自分は代用品で、夫は仕方なく自分と結婚したのだろうか…と不安に思うすずの気持ちが伝わってきます。良好な関係だった2人の関係が今後、気まずくなってしまわないか心配です。

中巻その2に続きます。

レクタングル大
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