この世界の片隅に(中巻)を読みました【その②ネタバレ注意】

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マンガ名:この世界の片隅に 中
著者  :こうの史代
掲載誌 :漫画アクション
出版社 :双葉社

以下、ネタバレ含みます。

なお、前の話が気になる方ははその1を先に読んでください。

ストーリー

19年12月

いつものとおり、すずが水汲みをしていたところ、なんと突然海兵になった水原がすずを訪ねてきました。水原は現在、重巡洋艦『青葉』の乗組員であり今は呉に寄港しているとのこと。昔と変わって明るく豪快になった水原に驚きます。今夜は北條家に世話になりたいという水原を戸惑いながらも受け入れます。

すずの幼馴染みいうことで最初は暖かく迎えた北條家の面々ですが、水原のすずへの慣れなれしい態度に微妙な表情を浮かべます。すずに会えたのが嬉しいのか、すずが家事をしている間も何かとちょっかいを出す水原。

水原は周作の指示で母屋ではなく隣の納屋の2階で寝ることに。その夜、周作はすずに水原のところへ防寒用ランプを持っていくよう頼みます。そして「折角じゃしゆっくり話でもしたらええ。もう会えんかも知れんけえの」と勧めるのでした。

すずはランプを持って水原のいる納屋を訪れます。そこで水原からお土産に水鳥の羽をもらいました。そのまま昔話をする2人でしたが、ふいにすずは水原に抱きしめられるのです。

水原に抱きしめられたすずは、「うちはずっとこういう日を待っていた気がするが、今あの人(周作)に腹がたってしかたがない」と周作を想う正直な気持ちを伝えます。

水原もすずに素直な気持ちを伝え、「すずだけはこの世界で普通で居ってくれ。わしが死んでも一緒くたに英霊として拝むようなことはせず、笑って思い出してくれ。それが出来んようなら忘れてくれ。」という言葉を残し、2人は別れるのでした。

20年2月

出征していた兄の要一が亡くなったと連絡があり、広島市主催の帰還英霊合同慰霊祭に出席する周作夫婦と実家の面々。戦場では全部の骨を持ち帰れないのは当たり前と知ってはいても、要一の骨が入っていると渡された箱の軽さに一同驚きます。箱の中身はなんとただの石ころひとつでした。皆一様に驚きの表情を浮かべるも、「あの要一がそうそう死ぬもんかね」と納得するのでした。

呉までの帰り道、先日水原を泊めた際、暗に一夜を促した周作を責めるすず。「…うちに子供が出来んけえ、ええとでも思うたんですか」と問うすずに、周作は「…ほんまはあん人と結婚したかったくせに」と恨み顔。お互いの気持ちをぶつけあい、どうやら仲直りしたらしい2人なのでした。

ある日、すずは再びリンのいる遊郭街を訪ねます。リンドウの茶碗を渡そうとリンを訪ねたのですが、リンは出かけており不在でした。そこで、風邪をひいて赤い顔をした三つ編みの女性に「リンさんに渡してくれ」と茶碗を託すのでした。



20年3月

呉にもいよいよ空襲が襲うようになります。庭で晴美といる時に空襲に遭遇したすずですが、義父の機転で物陰にふせ、3人とも事なきをえました。

この春から小学校にあがる晴美のために、教科書の手配に苦労する義姉とすず。教科書を譲ると言っていた知り合いの家も先の空襲で焼けてしまい、いよいよ困ってしまいます。しかし、帰宅すると下関にいる息子(晴美の兄)から小包が来ており、中には自身のおさがりの教科書が入っていました。喜ぶ晴美と、涙ぐむ義姉の姿がありました。

20年4月

花見に来た北條一家。そこですずは偶然仕事で訪れていたリンに会います。茶碗の礼を言うリン。「夫が昔買った茶碗で、リンさんに似合うと思って渡した」と打ち明けるすずに、リンは笑顔のまま何も語りませんでした。

すずがリンにあの時、茶碗を渡してくれた三つ編みの女性はどうなったか聞きますが、あの後肺炎にかかり亡くなってしまったとのこと。そしてリンはすずにその亡くなった女性が持っていた口紅をくれるのでした。「空襲に遭うたら、キレイな死体から早う片付けで貰えるそうな」とすずに教え、その場を去ります。

リンと別れた後、周作に会うすず。周作が「さっき知り合いに会うたが、笑うとって安心した」と笑うのを見て、すずも「周作さんが笑うとって安心しました」とほほ笑むのでした。

以上、中巻終了。

感想

戦争という重いテーマを扱いながらも、コメディ調で1つの話には必ずオチがついているように描かれています。生活描写はとても細かく、読むたびに新しい発見があるのがすごいです。このこともこの作品が高く評価される理由の1つなんでしょうね。

夫の周作がすずを敢えて水原の寝床に行かせたのは印象的なシーンでした。この作品の中盤の見せ場であったように思います。いつ死ぬかもしれない水原に、悔いが残らぬようにと思った周作の行動であったのでしょうか。すずと水原の別れのシーンは切なかったです。

周作とリンの関係もここで一応の決着をみたようです。

呉の街にも空襲がされるようになってきました。上・中巻と戦争による大きな被害はなく、ほのぼのとしたに日常シーンが多かっただけにこれからどんな展開になっていくのか気になります。

下巻その①に続きます。

レクタングル大
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