このマンガがすごい!2017年オンナ版2位『春の呪い』感想【ネタバレ注意】

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2017年の『このマンガがすごい!』が発表されました。オンナ版の第2位に輝いたのは、小西明日翔先生の『春の呪い』。発表されるまで未読だったので早速読んでみました!


毎年この時期に宝島社から発表される『このマンガがすごい!』。漫画好きとして毎年楽しみにしていて、ランクインしたものはなるべく読むようにしています。逆に自分が既に大好きだった漫画がランクインするととっても嬉しい気持ちに♪ネット上でも発表直前は順位予想など盛り上がっているみたいですね。

このマンガがすごい! 2017
このマンガがすごい! 2017

作者の小西明日翔先生は初連載作品で見事第2位にランクインされたそうで。すごい才能ですね~!以下、ストーリーと感想を書いていきます(ネタバレも含むため注意)。

ストーリー(ネタバレ注意)

大好きだった妹が死んだ

主人公夏美(なつみ)の最愛の妹、春(はる)が病気で死んでしまった。若干19歳。その葬式のシーンから話は始まる。夏美は最後に春の棺桶に駆け寄り、春と男性の2ショット写真を棺に納めるのだった。『お姉ちゃんがすぐ行くから、行くまで待っていて…』と声をかける夏美。その様子を後ろで写真に写っていた男性が見つめていた。

その男性は冬吾(とうご)といい、春が高校生の頃から婚約者として付き合っていた男性だった。その冬吾と待ち合わせをする夏美。家族にはそれを内緒にしている。

死んだ妹の恋人を恋人に

そもそも春と冬吾が交際するきっかけになったのは、お互いの家の事情からだった。一般的な中流家庭の夏美と春の家だが、父の血筋は江戸時代の財閥の家系。対して、冬吾の家も同じ流れをくむ財閥の家系だった。古くからのしきたりに従って、冬吾は姉妹とお見合いすることになったが、冬吾の母の強いすすめで頭がよく品の良い春と交際することに。

しかし、その春は死んでしまった。葬式の席でうなだれる夏美に『妹が死んだのだから その姉と付き合ってみてはどうかという話になった』と告げる冬吾。その姿に『血も涙もない鬼畜生だ』と感じる夏美だったが、『春と二人で行った場所に 私を連れて行ってほしい』という条件付きで交際を承諾したのだった。

デートという形で冬吾は夏美を、春と訪れたという場所に連れ出すのだった。夏美は現在飲食店の厨房で働いており、ハツラツとして元気(若干おとぼけ?)な印象。対する冬吾は、自身の財閥系の銀行に勤めておりエリート街道まっしぐらという感じ。クールで感情が読み取れず、全く対照的な2人だ。

妹・春への複雑な心情

2人が小学生の頃、両親は離婚。父は再婚し弟もできた。一緒に暮らす父と夏美の関係はあまり良いものとはいえず、家に居心地の悪さを感じていた。夏美は春といつか大人になったら家を出て2人で暮そうと約束し、それを支えに生きてきた。栄養士になったのも、身体の弱い春のためだった。

しかし、それは冬吾に一瞬にして奪われてしまった。春は冬吾を愛しており、春を奪った冬吾を殺してしまいたいとまで感じていた夏美。夏美自身、恋愛として春のことを好きなのかと悩んだこともあると認めている。

春の臨終の際、春が最後に語った言葉が冬吾の名であったことも更に夏美に追い打ちをかける。『冬吾と付き合い始めたその日から春への罪悪感で眠れない』と自殺願望すら持ってしまうのだった。

冬吾とのデートの帰り道、突発的に踏切に飛び込もうとしてしまう夏美。冬吾が慌てて引き留める。動揺する夏美に『お前が死んだら俺も死ぬ。』と言い切る冬吾。『冬吾が死んだら春が悲しむからやめて』と言う夏美に、冬吾は『春には…申し訳ないと思っている』と言葉を綴るのだった。

冬吾の本心とは

冬吾が、春ではなく自分(夏美)のことが好きなのでは…?と気づき始める夏美。

冬吾の見合いの席での夏美への第一印象は『暗い女…』(自分以上に無口で暗い女に初めてあったとの感想を持つ)。なぜなら夏美は見合いの席で一言も喋らなかったから。しかし、春から聞く夏美の印象は活発で社交的。その違和感に興味を持つ冬吾。春と交際して2年後、初めて夏美と再開し言葉を交わす。その後も冬吾は夏美への関心が捨てられないでいた。

春の死後、親がそう決めたため夏美と付き合うと告げたのは冬吾の嘘で、実際は冬吾の意思だった。しかし、夏美の春に対する姉妹愛を超えた感情を知ることになり人知れず傷いている。

大学進学から就職まで周囲の求められるまま歩んできた冬吾。そんな自分に天真爛漫に接する夏美への気持ちを捨てることができない。夏美が交際を承諾する際に出した『春と二人で行った場所』に行きつくし、交際の条件が無くなることを恐れていた。

今後の展開は…?

冬吾は『春と言った場所はもう行きつくした』と話し、夏美に好意を抱いていることを正直に伝える(ものすごく淡々と語ってますが、彼にとっては最大限の告白なんでしょう)。今まで付き合わせて悪かったと詫び、もう会うことはないと去っていくのだった。

うすうす気づいていながらも、はっきりと伝えられたことで更なる罪悪感に陥る夏美。そんな時、死んだ春のSNSのアカウントを見つけてしまい…?

感想

心がぎりぎりと痛くなるような心理描写がとにかく多い。読んでいて辛くなるのですが、ページをめくる手が止まらない~といった感じです。たたみかけるような心理描写の多さもこの漫画の魅力ですね

夏美と冬吾がお互いに持つ感情はこれ以上ないほど複雑なのに、2人のデートシーンはほんわかした気持ちになってニャニヤしてしまいます。対照的すぎる2人のやりとりが面白くて可愛い。そしてなんといっても、全くわかりにくかった冬吾の夏美への気持ちが徐々に明らかになっていくところは、切なくて『あ~~~~』と心の中で叫んでしまいそうに…。夏美が春への気持ちで動けなくなってしまっている様子はまさしく『春の呪い』です。

1巻読み終わってみると、最初のシーン1つ1つにも伏線が張り巡らされているようで、何度も読み返してしまいます。絵柄はシャープで若干青年漫画のような印象ですが絵はとても上手で読みやすいです。これが初連載とは驚きました。今後の2人の続きが気になるという意味でも、『このマンガがすごい!』2位に選ばれるのも納得です!

2巻がもうすぐ発売されますが、今後は1巻であまり明らかになっていなかった妹・春の気持ちに焦点があたっていくのでしょうか?登場人物たちの名前には1つずつ四季が入っているんですね。もしかして今後『秋』のキャラも登場するんでしょうか?

今までにない新しい形の恋愛漫画のような気がします。出会えてよかった~。と満足感に浸ることができました。オススメですよ。

以下、追記

しかしこの漫画、調べてみると次の2巻でなんと最終回!とのこと。人気絶頂の中での完結…?これからもっと続きが期待される漫画だったので非常に残念ですが、2人の行きつく先が早めに読めるという点では良いのかもしれません…。とにかく2巻の発売を待ちたいですね!

この他、『この漫画がすごい!』2017年オンナ版第1位に選ばれた岩本ナオ先生についても記事を書いているので興味がある方はぜひ!

『2017年このマンガがすごい!オンナ版1位』岩本ナオ作品おすすめ漫画

↓完結巻となる2巻の感想はこちら…。

堂々完結!『春の呪い』2巻感想【ネタバレ注意】

レクタングル大
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