『二人は底辺』感想:『来世は他人がいい』外伝、吉乃と翔真の出会いが明らかに!【ネタバレ注意】

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現在月刊アフタヌーンで連載中、小西明日翔先生の『来世は他人がいい

2017年11月に第1巻が発売されるや大反響、何度も重版がかかるほどの大人気連載となってます!

★『来世は他人がいい』の第1話からの感想はこちらからご覧いただけます♪

『来世~』の連載がはじまる2年前…、コミック・ゼロサム(2015年9月号、12巻)に『来世~』の外伝的読み切りが掲載されていました。

タイトルは『二人は底辺

『来世~』の主人公でヤクザの孫の吉乃と第7話で初登場した翔真が主人公となる43Pの読み切り作品です。吉乃がまだ東京に行く前、当時13歳の吉乃と15歳の翔真の出会いが描かれています。

小西先生の前作品『春の呪い』が連載されていたのがコミック・ゼロサム。

過去のゼロサムも電子書籍サイトコミック・シーモアなどで購入できました。是非チェックしてみてください。

以下、ストーリー(ネタバレ注意)と感想を書きます。

ストーリー(ネタバレ注意)

吉乃と翔真。衝撃の出会い

大阪、染井組長宅。深夜、のどが渇いて水を飲もうと階段を下りる吉乃。

吉乃、まだ髪が短くて幼い印象です

すると『暴れんなこのクソガキ!!!』と組員たちの怒号がとんでいる。数人の組員に少年が猿ぐつわを噛まされ取り押さえられている。

とりあえずクスリが抜けるまで座敷牢に入れておけと兄貴分にあたる男性が支持。

ドアの隙間からその様子を盗み見る吉乃。眼光鋭い少年と目が合い、その気迫にゾッとするも『どっかで見たことあるような…』と感じる。

翌朝、昨日のドタバタ騒ぎであまり眠れず寝不足気味の吉乃。祖父、染井組長が食卓に顔を出す。

いつもと変わらず元気だが、目の上に怪我をしていた。昨日、捕まった少年にビール瓶で殴られたとのこと。

更に吉乃を驚かせたのは、その少年がまだこの家にいるということ。染井組長がこの場に呼び、兄貴分に連れられてやってくる。昨日殴られたらしい顔は治療されているが、無言で無表情のまま。

顔を見て、吉乃は同じ中学校の3年だということに気づく!シンナーやってるなどよくない噂があり、一生関わらんとこと思っていたのに…。

少年の名前は『鳥葦 翔真(とりあし しょうま)』、15歳の中学3年生。父親が西成でクスリを売っており、翔真は染井組長がその元締めと勘違いし、クズの父親殺すついでに組長も殺そうと考えたらしい。

組員にタコ殴りにされる中、組長にビール瓶一発くれてきたその根性を組長は気に入った様子。吉乃に折り入って頼みがあると言い、きょう今日から翔真を自分の息子として育てたいと言い出す!

当然ながら驚愕する吉乃

組の構成員となって親子盃を交わすということか?と聞くが、ヤクザとして育てるわけではなく純粋に自分の子として育てたいとのこと。

翔真の父にはもう話はつけてある。金を渡すとすんなり了承したらしい。改めて組長が『翔真 お前がどうしたい?』と聞くが、翔真は無表情のまま『…どうでもいい』と一言。

お前の人生は自分で決めたらいい』と組長。ただ今晩くらいは泊っていけと声をかけるのだった。

中学校での吉乃と翔真

中学校、放課後たった一人教室から窓の外を眺める吉乃。

今朝の翔真の『どうでもいい』発言を思い出す。

なんやろあの人ごと感… 心の底からどうでも良さそうだった

ていうかほんまにあの人おじいちゃんのこと殴ったんかな。なんかそういうアツさみたいなものを一切感じられへんかったねんけど… 

例えるなら海底に沈む藻のような感じ

ここまで言われてしまう翔真(笑)

窓の外で、翔真の噂話をする女子生徒3人組がおり、吉乃にもその会話が聞こえてしまう。

そのルックスから翔真は大変モテるらしい。しかしヤクザである染井組の家に出入りしていたとの噂から、そこの孫娘である吉乃の話題に。友達なんかできるわけない、翔真もかわいそうと言われる始末。

…かわいそう? 余計なお世話や』と暗い表情のまま帰宅する吉乃。

染井家を出ていく翔真

吉乃が帰宅すると、ふらついたまま家を出ていこうとする翔真とすれ違う。

昨日しこたま殴られたため発熱している模様

心配する吉乃、引き留めようとするが『…ウザい』と一蹴されてしまう。そのまま去っていく翔真。

台所で組員の兄貴分、布袋(ほてい)に対し翔真の態度を愚痴る吉乃。

この家の夕食担当は吉乃らしい。和服を着て料理をしている。

アイツも最初から人生投げやりだったわけではない。翔真は8歳の時に母親を亡くしてから、たらい回しに育てられてきた。最終的に例のクズの父親に金でヤクザに売られたようなもの。キレる気力もなく投げやりになるかもしれない と布袋は言う。

そして翔真自身も父親と同じ相当クズで酒やタバコ、合成麻薬にも手を出すような少年だった。

この世界は底辺の人間が行き着く場所みたいなもんや 底辺が底辺を受け入れんくてどうすんねん

布袋はそう言い、吉乃はいつもどうりにしとけばいいと諭す。

吉乃はやはり翔真の様子が気になり、夕食の残り物を持って翔真の自宅へ向かおうとするのだった。

一方の翔真。

夜、非行仲間たち?と街でつるむも表情は暗い。早々と自宅に帰ると父が待っていた。染井組の世話になるなら、金の工面をしてほしいと要求してきたのだ。

昨日染井組が渡した金はもう賭け事ですってしまったらしい。

その要求に激高する翔真

お前なんか親父とちゃうわ… お前と血ィ繋がってると思うだけで虫酸が走んねん…

俺にこの先まともな人生なんかあるかボケ

お前殺して俺も死んだる…!俺もお前も地獄行きじゃ!!!

ポケットからナイフを取り出し、父親を刺そうとする。

無気力だった時の翔真とはまるで別人!

そこへ止めに入る吉乃!! 翔真のナイフを持った腕をつかむ。染井組長の孫の染井吉乃であると名乗り、それに驚く父親。

吉乃は『こういうヤツは アンタが殺さんでもじき他の誰かにやられるわ』と諭すが、

まったく収まる様子のない翔真。『どれだけ待ってもいままで誰も殺してくれなかった。 他の誰かが殺るって誰がいつやるんじゃ‼』

そこで吉乃の口から衝撃のの言葉

わかった わたしが今やったる

驚く翔真と翔真の父。翔真は15歳だが、吉乃はまだ13歳で人を殺しても刑事責任を問われない、せいぜい少年院や と淡々と語る吉乃。

そして翔真父に

我が子に金せびる父親がどこにおんねん!ええ加減にせえよ!

と啖呵を切る。完全にビビってる翔真父。

着物姿も相まって鬼龍院花子ばりの迫力である。

そして次は翔真に対し

(ウチに来るのか)どっちでもええんやったら わたしが今決めたる

今日からアンタは染井蓮司の息子や このカスは今この瞬間からアンタの父親でもない

それでええか? 

『返事は!!』と聞かれ、翔真も思わず『……は、い』と答えてしまう。完全に吉乃の迫力に圧倒されている様子。

捨て台詞を残し、2人の前から逃げていく翔真父。

そこで吉乃は、『あんだけ啖呵きっときながら 殺すどころか逃がしてもうた』と反省。

いつもの腰の低い吉乃に戻り、翔真にナイフを返すと『なんなら今から(父親)追いかけようか?』?と恐る恐る問う。

すると翔真は『…もうええねん』とポツリ。そして電池が切れたように倒れ吉乃の肩に顔をうずめる。翔真は高熱でフラフラの状態だった。

1か月後の2人

それから1か月後の染井組。祖父や布袋も含む朝食の食卓で吉乃が翔真の世話をやいていた。

吉乃におかわりを要求したり、すっかり打ち解けた様子の翔真。吉乃のことは『吉乃さん』とさん付けで呼んでいる。2人が学校でも(友達がいないため)いつも2人でいるらしい。

眠たがり、遅刻ギリギリの翔真を吉乃が怒鳴りながら中学まで一緒に連れていく。様子を見て、組長と布袋があきれ顔。

組長:てっきりワシ… 翔真が吉乃の兄貴分みたいになると思っとたんやけどなぁ…

布袋:思いっきり逆になりましたね

翔真は安らげる場所を見つけたようだ。

ーーENDーー

感想

『来世は他人がいい』を先に読んでいるので、どうしてもそちらとリンクさせながら読んでしまうのですが、そういうフィルターなしに読み切りとして読んでもとっても面白い作品でした『二人は底辺』!

作中の組の兄貴分、布袋のセリフを受けてのタイトルですかね。

むしろ読み切りを先に読んでしまうと、小西先生の次回作の主人公は吉乃と翔真だろう!と思ってしまっただろうな~。翔真もとっても魅力的なキャラだと思います。

翔真の無気力モードとキレたときの落差もすごいけど、普段の腰の低い吉乃がキレたときの差もすごいですね。そこらへんは『来世~』のときとまったく変わってない(笑)!

吉乃のあのカリスマ性は13歳のときから備わっていたのかと驚きです。歳は翔真のほうが2つ上ですが、この一見で関係性は完全に吉乃のが上なんですね。なんせ『さん付け』してるし。

そして際立っていたのが、吉乃の祖父、染井組長の懐の広さ!自分殴ってきた相手を息子にしよう!なんてなかなか言えないですよね。しかもヤクザになること強制しないし。

布袋も同じような流れで染井組に入ったようですし、組長の人徳・カリスマ性がすごいんだろうなぁ。そして吉乃も確実にその血を受け継いでいるのでしょうね。

『来世~』の第7話ラストで翔真がついに登場したので、これからあの霧島とどう絡んでいくのかが本当に楽しみです。

ちなみに組の兄貴分、布袋も第7話で2、3コマだけ登場してましたね。染井組長のヤクザサミットへの付き人で。

すごい余談ですが、意外だったのが、吉乃がすごいしっかり染井家の家事をしていること。吉乃が東京に来てしまって誰が染井家の食事を作ってるんだろうといらぬ心配をしてしまいました(笑)

ちなみにこの読み切りの表紙は着物姿の吉乃と翔真(桜・ソメイヨシノ?の刺青彫り済み)なので、本編の未来の姿が描かれている形になりますね。

組長はヤクザにするつもりで引き取ってないということですが、刺青を入れたということはそういうことなのかな?(笑) まぁ全部翔真の意思なんでしょうが。

翔真が刺青入れたときのエピソードが気になります。なんで桜にしたの?とか(笑)

まぁあくまで連載前の読み切りなので、読み切りの設定がすべて『来世~』のほうに引き継がれているわけではないと思いますが(^^;)

来世ファンなら読む価値が十分にあると思います!!

絵柄は『来世~』に比べるとやや固い感じがしますが、それはそれで新鮮です。『春の呪い』に近いですよね。

この読み切りが掲載されたのは2015年で掲載誌も違うことから、今後『来世~』のコミックスに掲載される可能性は低いと思うのですが…。

電子書籍のおかげで今回読むことができました!ありがたや…。

大満足の読み切り作品でした。今後の『来世~』の連載も楽しみにしたいと思います!

★『来世は他人がいい』の第1話からの感想はこちらからご覧いただけます♪

★小西先生の初連載作品『春の呪い』の感想をこちらの記事で紹介しています♪
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↓2017年11月22日に第1巻が発売!1話~3話が掲載♪

レクタングル大
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コメント

  1. ぴよぴよ より:

    さっそく読まれたんですね!お役に立てて良かったです(*^^*)
    私も翔真は設定集見て気になってたキャラです。吉乃を怒らせた時の対処法がいいですよねっ。
    あ、でも、実は一番気になってたのは布袋さんでして。布袋さんもいっぱい出てきてたので、大満足でした!
    布袋さんと幼い吉乃との話も読みたいです!
    本編にもどんどん出てほしいけど、関東と関西ではあまり絡む機会ないですかね…?翔真も一応大学生だし、本編レギュラーは難しいかなぁ(T_T)