ディズニー実写版『美女と野獣』をアメリカで観た感想と見どころ。原作との違いを紹介。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

日本では2017年4月20日より公開するディズニー実写版『美女と野獣(Beauty and the Beast)』。アメリカでは一足早く公開されているので、英語版を鑑賞してきました。

美女と野獣 オリジナル・サウンドトラック デラックス・エディション(日本語版)

観賞直後の感想

ただただ感動。映画館で観て良かった…。原作アニメーションが好きな人は絶対に見てほしい作品です。一言でいうと原作に非常に忠実で違和感なく観られます。もちろん細かい設定や追加エピソードなどありますが、それも含めて楽しめます。

以下、作品の魅力について語っていきます!

作品の魅力

エマワトソンがただただ綺麗!

そもそもエマワトソンほど原作のベルのキャラクターを体現してくれている女性はいないんじゃないでしょうか。アメリカの名門ブラウン大学を卒業した才女…才色兼備とはまさにこのこと。より知的で行動力のあるベルを演じてくれています。

ベルの登場シーンはとっても可憐で、画面に出てきた瞬間映画館もワッと盛り上がる感じになりました。そして驚いたのはその歌唱力。基本、原作に忠実なミュージカル調になっているのですが、ベルが歌う名曲たちを素晴らしく歌ってくれます。ずっとハーマイオニー役の印象しかなかったので、彼女が歌まで上手いとは思わなかったです…。そもそもハリウッドで活躍している俳優さんたちは演技も歌もできて当たり前な感じで本当にすごいですよね。

ベルの代名詞である黄色のドレスもとっても可愛いくて、見惚れてしまうこと間違いなしでしょう。

アンテーク調の家具たちが素敵!

呪いにより家具に変えられてしまうお城の家来たち、事前情報なしで観たので、まさか原作アニメーションタッチのあのデフォルメ化された姿でCGで登場するのか!?と思っていましたが、全くそんなことありませんでした(笑)。もちろんCGなんですけど、実写版の作品の雰囲気に会った重厚かつ繊細なアンティーク食器たちに変身しております。実際にありそうなリアルなデザイン。

その細工も素敵で、キャラクターたちの個性とか表情を見事に表現していて素晴らしいなと思いました。CGの違和感の無さは2017年に実写化された所に感謝ですね。ぜひ実際にシアターでご覧ください♪

Disney ルミエール ライトアップフィギュア オーナメント 美女と野獣 ディズニー [並行輸入品]

音楽も完全再現!ミュージカル風

原作で使われる楽曲は全て実写版でも歌われます。お馴染みの”朝の風景”や”強いぞガストン”の楽曲など改めてミュージカルにぴったりな曲なんだな~と。もちろんダンスのシーンのロマンチックな名曲”美女と野獣”も素晴らしい。

そういえば、美女と野獣の舞台ってフランスなんだった!と改めて気付かれました(気付くのが遅い)。衣装やメイクもフランスらしい装いがいくつもあって可愛いです。なんとなく映画ソフィア・コッポラ版のマリーアントワネットを思い出しました。
WDCC ディズニー 美女と野獣 ベル&ビースト

原作アニメ―ションとの違い

基本的に原作に本当に忠実で原作ファンも納得の完成度だったわけですが、もちろん少し違うところも出てきます。細かいところをあげれば切りがないですが、気になったところをいくつか紹介。

追加エピソードも幾つかありましたが、かえって作品のストーリーに深みを与えてくれたので良かったのではと思います。原作では語られなかったエピソードを補完してくれて返ってありがとう!的な感想でした。

~以下、ネタバレを一部含みます!~

原作との違い①:ベルのキャラクターについて

町一番の美人で読書が大好きというところはそのままに、より知的でより行動的なベルのキャラクターになっていると思います。

町で洗濯(当時はもちろん手洗い)をする際に、自作の自動洗濯機を作って、その時間を読書にあてたり、城に閉じ込められたとき真っ先に服でハシゴを作って逃げようとしてみたり(結局使用せず)、映画のヒロインとしてはかなりアクティブな部類に入ると思います。そんなところがまたベルの魅力を引き立てるんでしょうね。

原作との違い②:ガストンとフウのキャラクターについて

原作のガストンといえば、イケメンだけど筋肉自慢の超ナルシストで横暴で傲慢、The 悪役って感じのキャラだと思うんですが、こっちのガストンのほうが更に、ちょっとお馬鹿でなんだか憎めないやつになってます(笑)。そしてガストンの子分も世渡り上手なお調子者な感じに。

子分の名前、今まで知らなかったんですが『フウ』っていうんですね。フウも原作では完全にガストンに絶対服従な子分でノロマなキャラって感じだったんですが、実写版では実はガストンより切れ者なのでは…って印象(笑)

超ナルシスト(そこは原作と一緒)なガストンを苦笑いしてみたり、ベルにこっぴどく振られて珍しく落ち込むガストンをうまくあやしやりとガストンの取り扱いはお手のものみたいな感じが面白かったです。このフウの演技があってこそ余計ガストンが可愛くみえてしまうんですね。きっと。

ただそんな前半憎めなかったガストンも、最後はきっちり悪役こなしてくれました!個人的にアニメーションのガストンのアゴ割れとナルシストなキャラクターを見事に体現してくれたガストン役のカーク・エヴァンスに拍手!!

ちなみにフウの役者さんはアナ雪の大人気キャラオラフの声優を務めた役者さんです!コミカルな演技がほんと旨いですね~!

原作との違い③:魔法道具が追加

美女と野獣に出てくる魔法道具といえば、『見たいものを写してくれる鏡』ですよね。実写版でもこの鏡は登場し、同じ使われ方がされるのですが、なんとこの鏡の他にもう1つ別の魔法道具が登場します!世界地図のようなものが書かれた『過去の世界(思い出?)を覗ける絵本』です。

その昔ベル親子はパリで暮らしていましたが、当時パリではペストが大流行。不幸にもベルのお母さんもペストにかかってしまい瀕死の状態、お父さんのモーリスは泣く泣く幼いベルを連れパリを去る…その別れのシーンをベルと野獣は絵本の魔力により知ることになるのです。

バルは父親のモーリスからこの話を聞かされておらずショックを受けます。野獣もかつて小さい頃に母を亡くし悲しみにくれるシーンが追加されており、野獣もベルも共に小さい頃に母親を亡くしていたんですね。2人に共通点が生まれ、心を通わせるきっかけにもなっているんだと思います。

もちろん原作でお母さんはいっさい出てきていませんよね。ただ居ないのかなくらいにしか思っていませんでしたが、実写化リメイクで切ない昔話を追加してくれました。
Disney ディズニー オーナメント 美女と野獣 ライトアップ [並行輸入品]

原作との違い④:お父さんの仕事が少し違う

細かい設定の違いですが、原作だとお父さんモーリスの仕事は大型の機械とかを作っちゃう発明家でしたが、実写版だと細かい装飾品や絵画も手掛けているので発明家というよりは、芸術家のイメージ。より現実的に、インテリ度が増している感じです。ただし娘を想う優しい父のイメージは同じ、ベルとの再会シーンなどは感動的でした。そして今でも亡くなった妻を想う愛妻家でもあるのです。

ベルのお父さん役はアカデミー賞受賞俳優でもある、アメリカ人俳優ケヴィン・クラインです。

原作との違い⑤:城と人々に魔法をかけた魔女に焦点

最も大きい追加エピソードとしては、王子を野獣にし城に魔法をかけた黒幕、”魔女”の存在に焦点があたっていることかもしれません。一番最初のシーン、みすぼらしい老婆の姿で登場し王子に宿を頼むも冷たく断られたことに失望し、城ともども魔法をかけてしまう魔女。

原作ではそれ以降一切登場しない謎の多いキャラクターだったんですが、実写版では物語後半では、物語後半のキーパーソンとして登場。

それに伴い、お父さんを精神科病院へ送ろうとする過程がちょっと異なったりするので是非映画館で確かめてみてください。

原作との違い⑥:キャスト総出演の最後のダンスパーティ

最後、魔法が溶けて喜び合うシーンですが、野獣を倒そうと躍起になっていた町の人々もまだ城の庭に残っていて、魔法が溶けて人間に戻った城の人々と感動の再会!みたいなシーンが。

その後、エンディングのダンスのシーンへと移ります。原作では大広間でベルと野獣カップルのみが踊っていましたが、実写版では町の人々も含めた総出演のダンスパーティー!ロマンチックさもさることながら、とっても華やかなんですね。ずっと冬だった城に春が来たということで春祭りのような感じです。

ベルの衣装はあの黄色のドレスではなく、花をあしらった白のドレスでした。これも可憐でとっても素敵。最後のダンスの最中に一瞬、野獣(もう王子)が、野獣のころを思い出してうなるシーンがあるんですが、そこが笑いを誘いました。野獣役のダン・スティーブンス、王子姿が素敵…野獣Berの時も顔は怖いんだけど声が完璧美声ってのが素敵です。

改めてみると豪華キャストに次ぐ豪華キャストなんですよね。お城のメンバーは最後の最後になるまで人間役のキャストがわかりませんでした!変化後にえ~あの人が!?って感じになります(笑)

紳士で人をもてなすのが大好きな燭台、ルミエール役はイギリスの俳優、ユアン・マクレガー。ビッグフィッシュやスターウォーズなど数々の名作に出演しています。

堅物な時計の執事、コグスワースはイアン・マッケラン。フランス風のかつらと濃い化粧でわかりにくいですが、なんとX-MENのマグニート役、ロードオブザリングでガンダルフ役をした大御所俳優さんです!
Disney ルミエール ライトアップフィギュア オーナメント 美女と野獣 ディズニー [並行輸入品]

原作との違い⑦:同性愛的表現について。マレーシアでは公開中止!?

観賞中は全く気付かず、鑑賞後にネットのニュースで知ったのですが、実写版に一部同性愛的表現があるとして、マレーシアでは公開が見送られることになっているようなんです。ロシアでは16禁指定になっているなんてニュースも。

どうやらフウがゲイ設定だったり、最後のダンスパーティでは男性2人で踊っているシーンがあるからということだったのですが。確かに、最後のダンスはそうだったかも…でも指摘されるまで全然気になりませんでした(^^;)観る人によって印象が異なると思いますが。国によって同性愛的表現の公開に随分差があるんだなと驚かされたニュースです。

まあ昔のディズニーだったら確かにありえない表現だったと思うのでこれも時代の流れ、2017年実写化ならではなのかなと思います。話は変わりますが、役者さんにたくさんの人種の方が起用されていることにも驚きました。これも現代の実写化ならではなのかなと思います。

余談:アメリカの映画館での違いと笑いのツボ

余談ですが、今回この映画をアメリカのローカルな映画館で鑑賞したので、日本の映画館との違いを少し。

チケットは3Dとかでない通常版で大人11ドルくらいで観れます。日本よりかなり安いですよね、ただ夜遅い時間でもレイトショーやレディーズデイ料金みたいなのが無いので、割高になることも(館にもよると思いますが)。学割はあります。そして日本には無い軍人割も。映画館に限らず、アメリカには軍人の方への割引制度や優先駐車場などよく見かけます~。

また座席指定は無いことが多く基本的に席は早いものがちです。小さい子でもポップコーンは1人1つ。そもそもポップコーンのサイズがでかい!そしてポップコーンは移動中ボロボロ床にこぼしても全く気にしないのが基本スタイル(笑)。

そして前に『モアナ』の感想を書いたときにも書きましたが、アメリカの映画館では皆、笑いたいときに笑います。こちらでも静かに鑑賞は暗黙の了解ですが、笑い声は別なんです!

今回一番大きな笑いをとっていたのは、野獣とベルが雪玉遊びをするシーンで、ベルが野獣に雪玉をぶつけますか、仕返しに野獣から超巨大雪玉を顔にぶつけられるところ!エマ・ワトソンの体当たり演技が受けたんですねきっと(笑)。

ガストンとフウのやり取りや、ルミエールのコミカルな演技の部分でもよく笑いがおこりました。笑えるところは笑えて、感動するところは感動して、本当良い映画だったなと…

エンドロールは名曲ぞろいだったので、余韻に浸って本編が終わっても最後まで座っていましたが、意外に周りは本編が終わると即効席を立って帰ってしまいました。意外に皆淡白なんですね。

ディズニーの実写化を観るのはこれで2回目、前作『シンデレラ』も原作に忠実で最高に良かったので、ディズニーの実写化には外れが無いなと確信。今後も何かしら実写化されたら是非観たいと思います。90年代黄金期の一角、アラジンあたりとかやらないでしょうか。設定が無理あるから難しいでしょうか…(笑)。

長くなりましたが、本当に良かったのでこれはDVDの購入も検討せねばならないと思っています。2017年実写版『美女と野獣』おすすめです。

レクタングル大
レクタングル大
おすすめの関連記事など