【フィラデルフィア】幻といわれたコレクション・バーンズ財団美術館。印象派ファンは必見!

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フィラデルフィアの目玉の観光スポットのひとつである『バーンズ財団美術館(Bamed Foundation)』。かつて非常に厳しい入場制限があったことから幻のコレクションといわれ、ルノワールやセザンヌ、マティスといった印象派の巨匠を含む、数多くの名作を収蔵している美術館です。かつて日本で7時間待ちの記録を作ったことでも有名です。

印象派ファンならこの美術館を目当てにフィラデルフィアを訪れても間違いはないはずです。今回はこちらの美術館を紹介します。

幻といわれたバーンズコレクションとは。

この美術館はコレクターであり、美術研究家であったバーンズ氏が個人的に収集した作品を展示しています。個人でここまでの規模の作品を収集できるとは…いったいなにもの…?と思いますよね。バーンズ氏は消毒液の開発に成功し、その特許収益によって莫大な富を築きあげた人なのです。そのお金を使って美術品の収集を行っていたのですね。

彼のコレクションは名だたる印象派絵画によって構成されていますが、当時のアメリカでは印象派の評価は低かったため、彼のコレクションは日の目をみませんでした。これらのコレクションを美術館公開前に貸し出したところ、世間に酷評されてしまったそうです。これに憤慨したバーンズ氏は公開を中止。

彼は1951年に自動車事故で亡くなりますが、彼の死後しばらくの間、コレクションは彼の遺言通り非公開となっていました。しかし、2012年ついにフィラデルフィアのダウンタウンに美術館として公開開始。幻といわれた名画たちを観賞することができるようになったのです(その背景には作品維持にかかる財団の財政難があったそうですが…)。

事前予約が必須のため、気をつけてください。

アクセス

フィラデルフィアのダウンタウンからは徒歩20分ほど。美術館、博物館が立ち並ぶパークウェイ・ミュージアム地区にあります。

隣ににはロダン美術館も。フィラディルフィア美術館へは徒歩15分程度なので、併せて観光するのがおすすめです。

Barnes Foundation
※火曜日は休館日のため注意

↓隣にあるロダン美術館

完全予約制だからゆっくり楽しめる

この美術館は完全予約制です。予約は公式HPからすることができます。平日など来訪者が少ない場合は予約なしでも入場できることがあるそうですが、旅行でフィラデルフィアに行くのであれば、忘れずに事前予約されることをおすすめします。料金が大人1人25ドルと決して安くはないですが、行って後悔はしないと思います。

入場制限がある分、館内が混雑することはなく、一部屋一部屋ゆっくりまわって楽しむことができます。

↓地下にはカフェを併設したくつろぎ空間も。隣にはギフトショップもあります。

印象派絵画の驚くべき収蔵数

ルノワール、セザンヌ、マティスの絵画がこれでもかというぐらい展示されています。特にルノワールの展示は多く、収蔵数は180を越えるとか。その他ピカソ、モデリアーニ、ゴッホ、スーラなど有名どころの作品の展示も多く、本当に驚かされます。

こだわりぬかれた展示方法に注目

バーンズコレクションは他の美術館とは圧倒的に異なる点があります。それは展示方法に現れています。通常、一般的な美術館がは壁の上下には1作品のみを展示し、それを横に観ていく形になりますが、バーンズコレクションはそうではないのです。まるで壁をアルバムのように使い、色や形、テーマを考慮して左右バランスよく展示されていました。バーンズ博士はシンメトリー(左右対称)にテーマを持たせた展示をするのが好きだったそうです。

1つ1つの壁にどの絵画を置くか考え抜かれ、調和がとれた配置になっていると思うと感動すら覚えますね。1枚1枚絵画をじっくり鑑賞した後に、一歩さがって壁全体を観賞する、というのがこの美術館の鑑賞スタイルなのだと思います。

展示方法について説明しているDVDも放映されていましたので、興味がある方は是非観てください!同じ絵でも壁の配置を変えてみたりすると、壁の印象ががらりと変わるのが面白かったです。

一般的なアメリカの美術館と異なり、写真撮影禁止なため、写真で紹介することはできまいのが残念ですが…。これは是非実際に本物を観に行ってくださいと言いたいですね。

オーディオガイドのアプリもあり

スマートフォンにオーディオガイドのアプリ(日本語対応)をインストールすることができます。館内にはWiFiネットワークもあるので、詳しく知りたい方はインストールすると良いです。itunes storeでもgoogle playでも手に入れることができます。詳細は公式HPをご覧ください。

勝手にランキング トップ3

バーンズコレクションの収蔵品の中でも、気に入った作品を勝手にランキング化してご紹介します。

1位:スーラ 『ポーズをする女たち』

かなり大きな絵で、入場してすぐの巨大な展示室の中にあります。

こちらの作品の背景に描かれている絵に見覚えがある方は多いはず。シカゴ美術館にある「グランジャット島の日曜の午後」が描かれています。スーラは点描画を得意とした画家ですが、当時、点描画は裸婦には向かないと言われていたそうです。それに反論するためにこちらの作品を描いたのだろうとの考察もなされています。真相は分かりませんが、点描画で描かれる裸婦は必見です。

2位:ゴッホ 『郵便配達人 ジョゼフ=ルーラン』

ゴッホは彼をモデルとした絵を6点残していますが、そのうちの一枚がバーンズコレクションの中にあるのです。胸像の背景には花を散りばめた壁が描かれています。6枚のうち、個人的にバーンズのジョゼフさんが一番温かみのある顔をしていて管理人は好きなのです。

3位:ルノワール『ジャンヌ・デュラン=リュエル嬢』

ルノワール描く少女はどれも可愛いのですが、バーンズコレクションで見つけたこちらの少女も素晴らしかったです。愛らしい顔に結い上げた髪が可愛いです。バーンズには本当にルノワール作品が多く、どれも素晴らしいのですが、この少女が特に記憶に残っています。

さいごに

フィラデルフィアという場所柄、なかなか行けないかもしれませんが、美術館が好き、特に印象派が大好きという方は是非とも足を運んでいただきたいです。

バーンズ氏の展示方法に関する考え方はかなり感銘を受けました。他に類をみない特別な美術館であると感じました。この美術館のためにフィラデルフィアのを訪れたといっても大げさではないでしょう。
★NYからも近いのでNY観光と併せて行かれるのがおすすめです♪
アムトラックでNYからフィラデルフィアへ。市庁舎までの地下鉄乗車ガイドも。

レクタングル大
レクタングル大
おすすめの関連記事など