ブルーピリオド(29話)新たな課題と桑名さんとの再会。立ち止まってもいいじゃないか【感想ネタバレ注意】

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『ブルーピリオド(第29話 俺、なくね…?)山口つばさ先生』ネタバレ&感想です。

12月25日発売のアフタヌーン2月号に掲載されています。

前話&最新話のネタバレ&感想はこちらから♪

高校時代の仲間と…徹夜明けの渋谷

八虎の呼びかけで、渋谷のスポーツBarに集結した高校時代のお馴染みの仲間たち4人。

彼らの前で弱音を吐いてしまう。

全然ダメ どうしたらいいかわかんなくなっちゃった

『どうしたのか』と聞かれ、『実は…』と切り出そうとしたところ、

Barのスクリーンでやっているサッカー観戦中の集団から歓声が。

4人のうちの一人、純田は最近またサッカーにはまったらしく、混ざりたそうにうずうずしだしたため、八虎も真剣には打ち明けず、

間違えて作品壊しちゃってクソバットってだけの話』といつものノリで茶化す。

いつものようにオールして、徹夜明けの渋谷の朝。

そして、いつかのように純田がゲロを吐いている。

やはりずっと元気のない八虎を気にして、恋ちゃんが改めて『大学で何があったのか?』と聞いてきてくれた。

話すほどのことじゃないと…はぐらかそうとするも、強面の恋ちゃんの眼力の前に八虎も答えざるを得なくなる。

八虎は、『合格した時からずっと自分なんかがここにいていいのかなって思っていた』ということを打ち明けた。

美大合格は目標でしかなく、周りがちゃんと考えてること考えられていなかった。

美大に入って何すんの?ということ。

『何をやりたいかなんてその時その時で変わる』『まだ入学して1か月だろ』と恋ちゃんは言うが、

自分なりに、いろいろやってみたけどダメだった。

教授は今まで予備校でならってきたもの捨てろとか言うんだよー

合格にしたくせにさー

今まで勉強してきたものってそんなにムダかなー

なーんか何で絵描いてんのかわかんなくなっちゃった…

俯きながら話す八虎。

結局、愚痴ちゃったね、と恋ちゃんに詫びる。

早朝の渋谷、誰もいない交差点を歩み始める4人。

恋ちゃんは、八虎に『辞めんなよ』と恋をかけるも、八虎はそれに返事をすることはなかった。

次の課題!

予備校時代のクラスメイトで浪人が決まっている桑名さんの家。

藝大生の姉から、何やら大学へのおつかいを頼まれた様子。

明らかに行きたくなさそうな桑名さんだが、母にも後押しされて重い腰をあげる。

シーンは変わり、油絵科の教室。

3人の教授のひとり、盧生教授が油絵科1年生にとって初めての課題だった『自画像』について総評を述べた。

平面作品が多く 私にはまだ受験で身につけた絵画表現に引きずられている印象を受けた』とのこと。

そして改めて『受験絵画は捨てろ』と述べたうえで、次の課題が発表された。

次の課題は、東京の風景をテーマにした平面作品とマケットの両方の提出。

マケットとはラフな模型のことで立体版のスケッチのようなイメージらしい。

油絵を週に製作してきた学生にとってマケットという新鮮な表現媒体に触れることは、今までにない素材視点空間把握などの理解が生まれる。

知ることによって見えるもの描けるものに変化が生まれる可能性を探るというのが、今回の課題の趣旨だ。

そして、東京の歴史を知るために明後日 東京都博物館に全員で取材に行くという!

明後日は朝10時に現地集合だ。

中間講評は6月18日最終講評は7月6日とのこと。

次の課題についての説明が終わり、解散。

熱量の無い表情で教室を去ろうとする八虎を、三木さんが引き留める。

以前約束していたインスタレーションの本を渡してくれたのだ。

お礼を言う八虎。

三木さんのかばんにサッカーのロゴが入ってることに気づき、『サッカー好きなんですか?』と聞く。

三木さんは熱狂的なサッカーファンらしい。

そこで三木さんに『趣味とか矢口さんって何が好きなんですか?』改めて聞かれ、

あれ?俺って何もなくね?

絵が描けるつってもこの中じゃレベル低いし。かといって人に話せるほど詳しい趣味もない…やば…。

と気づく。

だったらもっと勉強してせめて追いつかなきゃダメだ、と大学の食堂でインスタレーションの本を読もうとするも、内容が全然頭に入ってこない…

悶々としていると、女性に目の前の席を使って良いか聞かれ快諾する。

その女性はなんと桑名さんのお姉さん(藝大現役合格)だった。

以前一度会ったことがあり、八虎は面識があったが、お姉さん自身は全然覚えてないらしい。

上野動物園にて…桑名さんと

次の授業まで3時間ある。

なるべく藝大生のいないとこに行こう、と八虎が向かったのは、本日無料開放中の上野動物園だった。

猿山の前に来た八虎。

せっかく藝大に入ったのに、落ちた人に合わせる顔がない。そんな気持ちでボーっとしていると…

なんと桑名さんに遭遇!!

桑名さんは藝大までお姉さんの忘れ物を持ってきたものの、お姉さんに授業が入っていて会えないため、動物園で時間を潰していたのだ。藝大生に会いたくないから!

気まずくなった八虎が帰りかけたところ、なんと猿山からバナナの皮が投げつけられ頭にあたるというあり得ないトラブル発生(笑)

流石においていけないと、2人並んでベンチに座って話をすることに。

付き合わせたことを謝罪しながら、ぽろっと涙を流してしまう八虎。

そんなに痛かったの?』っとギョッとする桑名さんに、入学してからの経緯を語る。

それを聞いて『なるほどね それはキツい…』と桑名さん。

浪人してる桑名さんのほうがキツい時間なはずなのに、自分の愚痴を聞かせてごめんと八虎が謝ると、

幸福度の比較なんか意味ないよ 人の痛みなんか想像でしかないんだから』と桑名さん。

そして、『藝大行った矢口が思ったよりリア充してなくて ちょっと安心した

とワハハと笑顔も出た桑名さん。

桑名さんは、八虎が藝大入ってから1回はへこみそうと予感していたという。

八虎があわてて理由を聞くと、かつて現役合格していたお姉さんも『受験絵画を捨てろ』と教授に言われて、1年のとき混乱していたのだという。

更に姉と比較するならば、八虎は絵を描くの自体始めたんが遅かったため、受験を意識して描いてる絵が少なそうで余計にキツそうに思えたと。

桑名さんの指摘がドンピシャすぎて驚く八虎。

…でもひどいよね 

多分教授はスタイルを固めずに表現の幅を広げて欲しくて言うんだろうけど

その言い方じゃ今までの絵は全部傾向と対策だけで描いてきたみたいじゃん

そんな簡単に合格者(だれか)になれるなら誰でも合格できるっつーの

桑名さんの言葉に心が動く八虎。

落ちた人にこんな機嫌とりみたいなことさせて申し訳ないと思う反面、

今すごく励まされた自分がいる!!

八虎も、現役生である自分は始めたのが遅いのに結果出しててすごいと思われるが、浪人生はそのぶん色々知っているし、表現に幅もある。長くやってないと出ない良さがあると入学して改めて思ったと伝えるのだった。

そして、八虎は桑名さんが落ちた理由がずっとわからなかったと告げる。

それに対して、今思えば落ちて当然だったのだと桑名さん。

2次試験の油絵を 予備校のコンクールで1位を取った時の絵とそっくりに描いてしまったというのだ。

予備校のコンクールで1位取るとその年は受からないってジンクスがあったが、

あれは、そのときの絵から変えるのが怖くなってしまうということ。

1位をとったときからそれはわかっていたので、予備校では色々やってたつもりだったが、二次試験まで来て急に怖くなってしまい、たぶんほとんど無意識にそうしてしまった…

落ちて良かったなんて死んでも思わないけど ちょっとだけ ちょっとだけ落ちた安心したんだよね

維持する努力を続けてたら報われるって幻想がぶっ壊れて

と桑名さん。

八虎は思う。

桑名さんは周りから評価されてて 姉が現役首席合格してて両親も藝大

だからずっと誰よりも変わることが怖い人だったのか と。

桑名さんとの会話で再び涙腺が緩みボタボタと涙を流してしまう八虎。

桑名さんは八虎の泣き虫具合に驚きながらも、八虎の変化を恐れないところがすごいと褒める。

俺は捨てるようなものがなかっただけ』という八虎に、

じゃあ今はあるね 藝大現役合格っていう評価 

だから 評価を裏切っちゃいけないとか思わないでね

本当に自分を許せんのってマジで自分だけじゃん

と桑名さん。

それは、桑名さん自身にも言い聞かせているようだった。

そろそろ行こうか、とベンチを後にする2人。

何かふっ切れたような八虎。

人のことなんか気にすんななんて言えないけど

本当は何だってやっていいはずなんだよね自分の人生自分のものなんだから。

後ろ姿で表情は見えないが、2人の上には青空が広がっていた。

桑名さんの決意

八虎と別れた後、藝大のキャンパスに行き、お姉さんに忘れ物の筆を渡す桑名さん。
泣いてお礼を言い、焼肉をおごるというお姉さんに、焼肉はいいからお願いがあると切り出す。

桑名さんがお姉さんと帰宅すると、桑名さんの姿を見て驚いた様子のご両親。

なんと桑名さんは、肩まであった髪をバッサリ切ってショートボブになっていた!

そして、油絵は止めるのまだわからないが、予備校の夏期講習までの期間彫刻家で勉強してみたいと両親に願い出たのだ。

すかさずお姉さんも

大学の授業でも油絵だけじゃなくて立体を作る授業がある。良い方に絵が変わっていく生徒もいて、予備校の油絵2回も1位取ってるしいい刺激になるんじゃないのかな』とフォローしてくれた。

再び仲間と…

再び高校時代の仲間たちと、スポーツバーに集まった八虎。

今日もまたサッカーの試合が行われており、盛り上げる純田を傍目にテーブルでくつろぐ3人。

恋ちゃんが八虎の様子を気にして、『この間の大丈夫か?』と聞いてきてくれた。

八虎は予備校の恩師、大場先生の『まず自分が何を好きか知ることそこから始めましょ』という言葉を思い出していた。

今は立ち止まって いろんなことして いろんなもんに

心動かす方がいいかなって

ちょー遠回りかもだけどね

と八虎。

いや ちゃんと立ち止まれて偉いな…』と何かを察した様子の恋ちゃん。

そのとき桑名さんからLINEが届き、今日のお礼と『受験が終わったら、グループ展でもやろう』と誘いが来た。

何度も同じ間違いをするかもしんない 他の人より遅いかもしんない

も心を殺さないことを大事に過ごそう

大学生活は始まったばっかりだ。

~第30話につづく~

感想

藝大に入学してからずっと、暗いトンネルに突入してしまった感じの展開が続きましたが…

今回はだいぶ未来につながるラストで良かったです!

桑名さんとの再会のおかげで、着実に前に進めた感じがしましたね。

心に響くセリフが多かったな~。

読んでいて励まされました。

ともあれ、最初のシーンから順番に感想をば…(^^)

オール明けの徹夜のシーン 既視感あると思ったら記念すべき第1話で八虎が初めて描いた渋谷の朝なんですよね。
仲間の1人純田くんがゲロ吐くところまで一緒(笑)

あのときとは全然心境は違うんだろうけど。

恋ちゃんが八虎の異変にしっかり気づいていて、気にかけてくれたの素敵でしたね。
見た目無骨なのにしっかり周りがみえている!

奇しくも、油絵科の次の課題は東京の風景!

表現力も技術力もついた今の八虎で、青い渋谷をテーマに作品を作ってほしいなぁ。

次の課題が発表された時点では、八虎は無気力…って感じの表情でしたし、三木さんとの会話から自分に趣味や好きなことがないことに打ちのめされて、更に負のループにはまっちゃった感じでした。

が、桑名さんとの再会が八虎を救ってくれましたね!

上野動物園 無料開放日なんてあるんだ~

思えば桑名さんと会うのは、藝大の合格発表の日以来…

落ちた人と受かった人が再会するのは気まずいですよね。

八虎も最初は早々に退散しようとしていたのに、バナナを投げつけてくれた猿に感謝!(笑)

他人の声に惑わされたりしなさそうな雰囲気に見える桑名さんのお姉さんですが、彼女も藝大に現役合格して、八虎と同じように『受験絵画を忘れろ』と言われて葛藤していたとは…意外でした。

そして私も、なぜ桑名さんが落ちたのか不思議に思っていたのですが…

変化を恐れなかった八虎と最後の最後で恐れてしまった桑名さん…

紙一重なはずの合格の是非がその違いだったということに衝撃。

桑名さんとの会話で八虎が励まされたことは言うまでもないのですが、桑名さんもまた刺激を受けて新しく前に進む決意ができたのかな…

お互い心に抱えていたことを言葉で語ることができたのは本当に良かったですよね。

それにしても八虎、今回も涙腺ぶっこわれすぎてて良く泣いてました!

新章突入してほぼ毎回泣いてるのでは!?(笑)
でも今回は、感銘を受けての泣きって感じでよかった~っておもいます(^△^)

受け止めてくれる相手がいるって素晴らしい!

そして、まだ展開に続きがあって、まさか桑名さんが彫刻に興味があったとは思いませんでした!

前からやってみたかったことってなんだろう。どんな作品がつくられるのか見てみたいです。
ラストで八虎にグループ展やろうと誘ってくれてましたし、是非グループ展実現してほしい!

次回はおそらく、油絵科全員でいく博物館への取材のシーンになりそうですよね。

引率はまた院生3人組かな? 個性豊かな油絵科メンバーの事も新しくわかりそうだし、楽しい回になりそう♪

東京都博物館って言われていましたが、歴史を知るために行くってことは両国にある『江戸東京博物館』のことなんでしょうか。

個人的には、八虎には『青い渋谷』テーマで描いてもらいたいですけど、和な江戸風の作品も見てみたい気がします。

次回の掲載も楽しみに待ちたいと思います~♪

レクタングル大
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