ゆりあ先生の赤い糸 第18話『ゆりあ先生、子連れになる』
著者:入江喜和
掲載誌:BE ・LOVE22号(2018年)掲載
出版社:講談社
2018年2月にBE・LOVE(講談社)にて連載がスタートした『ゆりあ先生の赤い糸』。
第1巻には第1話~第6話が掲載されています。ストーリー&感想はこちらをどうぞ♪
過去のストーリーはこちらから♪
2018年10月12日に第2巻が発売されました!第7話~第14話まで掲載されています。
Contents
第18話ストーリー(ネタバレ注意)
宣言通り、吾良に鍋のニオイを嗅がせたら、すぐ帰ろうとするヤナイ青年。
玄関先にて、『あの子供たちはいつまで預かるのか』と聞いてくる。
スマホで検索すると、腹膜炎の緊急手術を行った場合、早ければ10日前後だが長期化する場合もあるという。その結果に渋顔をするゆりあ。
ヤナイ青年は当然ながら小さい女の子の面倒をみるのは嫌だという。どうやら『頭悪い女』の次に小さい女の子は苦手らしい。しかも憎い女の子供だし。
ゆりあはヤナイは当然今までどおり吾良の面倒だけみてくれればいい、と言う。逆に今は黒い感情が渦巻いて吾良の面倒を見ることのほうが辛い。
唐突にヤナイは『明日と明後日は所用があって(介護に来るのを)お休みします』と言い出す。正直ヤナイの助けをアテにしていたゆりあは動揺。
まだ1か月たってませんけど— 一日でも休んだらボクの決意は認めてもらえないんでしたよね?
クビにします?ボクを この状況で
勝ち誇ったような顔のようなヤナイに、ゆりあも『足元みやがって!』と憤慨しながらも承知するしかない。
ヤナイが去ると、階段からにぶい音が。妹のミノンが階段でふざけていて2段目から落ちたのだ!幸いにもケガはなかったが、ゆりあはつい姉のマニを『ちゃんと見ていなきゃだめ』と叱ってしまい自己嫌悪。
イカンイカン、自分が引き受けたのにイライラしてこれじゃ八つ当たりだよ…
気持ちを切り替え、姉妹を風呂に入らせ、夜は吾良のベッドの隣に布団をしき、ゆりあ・マニ・ミノンの3人で眠る。
明日はミノンを保育園に9時までに連れていき、その前8時までに学校に行かせなくてはいけない。要介護の吾良までいて大変だ!
あんなクソガキ(ヤナイリク)をいつのまにか頼りにしてた自分が恨めしく感じる。
ヤナイからダンナが倒れた日のことを聞いた時、意外にもダンナの真剣な思いをしってしまい、初めてリクに対して嫉妬を感じたけど
あん女を一目見た瞬間の 憤慨…(写真で見るより綺麗だった)
アレはやっぱり無意識に男女を差別してたということなのだろうか…
そういう感情になぜかヤナイに謝りたくなるが、この場合謝るのも失礼か?
疲れているのに、ネガティブ思考の悪循環で眠れない!こういうときは建設的なことを考えよう、と階段に低い手すりでもつけようかと考える。今の階段の手すりは子供たちには高すぎるし、義母に足元もあやしい。
一夜明けて、翌朝。
マニとミノン2人を連れて地下鉄にのるゆりあ。マニは一人で行けるから大丈夫と言うが、『一応学校の場所確認しておこうと思って』とゆりあ。『マジメだね~ゆりあさんて』と子供のマニに言われてしまう(笑)
小学校の近くまで来ると、マニを見送る。帰りは一人でいいから、とマニ。
その後、ミノンの保育園までは1時間あるため、近くの公園で時間をつぶす。喜んで遊具まで走っていくミノン。
まだ早朝で閑散とした公園だが、こんなに朝の空気が気持ちいいのは何か月ぶりだろうと感じる。
帰宅すると、ヘルパーさんはもう帰ったという義母。唐突に昔のアルバムを取り出し、姉妹のうち、妹のミノンの方が吾良の小さかったことに似ているという義母。
アルバム見てみると確かにほんとにちょっと似てる…かも?
『どっちにしてもあの子らの母親は吾良と何かあったんでしょ? (吾良の)帰りが毎日あんなに遅かったのは やっぱり仕事じゃなかったんだわ』とこぼす義母の言葉に、ゆりあは無言でアルバムを閉じる。
だからと言ってどうしろと言うのだ
知るかバカヤロー 関係ねーわ どうせ離婚すんだから
黒い感情に押しつぶされそうになりながらも、思い出すのは…
かつて、望んだが子供に恵まれなかった自分と吾良。子連れで楽しそうに前から歩いてくる家族を見て、吾良はゆりあの手をつなぎ『こっちも幸せだぜってアピールしよーぜ』と笑いかけた。
昔の思い出が蘇りツンとする鼻をかみながら、ゆりあは前に吾良の介護のため模様替えした際に利用した便利屋さんに電話をする。階段の壁に低い手すりをつけたいと頼む。
出て行こうと考えている家の改修にやっきになるのは 矛盾してるけど気晴らしにちょうどいい
一方、学校が終わり帰宅しようとするマニの前に、サラリーマン姿の眼鏡の男性が手をふる。
その姿を見て凍り付くマニ。どうやらその男性が『本当のパパ』らしい!!
その頃、井沢家には、便利屋の青年が御用聞きにやって来ていた。
~第19話へ続く~
感想
今話はいつにもまして切ない話に感じてしまいましたね。ゆりあさんに感情移入してしまうからでしょうか。
ダンナへの不信を感じて自暴自棄になりながらも、過去の楽しかった想い出を思い出してつい涙してしまう。いつもは気丈で一本気なゆりあさんの女性らしい一面に、切なくなります。
ヤナイリクの突然の休暇宣言に井沢家は大忙しに。そういえば、最初は1か月休みなしで介護に通ったら覚悟を認めるみたいな約束していましたね。事情が変わったのをいいことに抜け目ないあたりほんと喰えない男だぜ(あれこの感想、前話でも言ったかな?笑)。
まさかの便利屋のお兄さん、再登場でしたね。暗い流れが続いていたので、ここらで新しい風が吹き込んでくれ~。
でもでも最後で突然の、マニのピンチです!DV元夫がマニの小学校まで迎えにきてしまって…これほんと怖い…。大人びていてしっかりしているマニがあそこまでおびえるなんて…。
心配すぎます!はやくゆりあさんに保護してほしい、なんとか無事でいて!と願うばかりですよ…
次回の掲載も楽しみにしたいと思います。
↓2巻表紙のイケメンがヤナイ青年です!