公民権運動最大の指導者キング牧師(Dr. Martin Luther King, Jr)の出身地であるアトランタ。現在、彼の生家や街並み保存されており、キング牧師国立歴史地区(Martin Luther King Jr.National Historic Site)として管理されているのです。
キング牧師の生家や彼が夫人と共に眠るお墓も見学することができます。ビジターセンター含め歴史地区についてご紹介します。
Contents
行き方
平日のみバスが運行されているようですが、基本的には車で行かれることをおすすめします。ビジターセンター付近に無料の駐車場があるのでそこに駐車可能です。
※この歴史地区エリアは人通りが少なく、治安があまりよくないと言われているので注意が必要です!見学は明るいうちに済ませましょう。
開館時間
毎日9:00~17:00(夏季は延長あり)
クリスマスやサンクスギビング、元旦はお休みです。
エリア内地図
歴史地図の鳥観図がこちら。一番上が駐車場、中央にビジターセンター。下にあるプールのような場所が牧師のお墓です。右下にある住居エリアの1つに牧師の生家があります。
右下の住居エリアは、老朽化によりさびれた状態であったのを、歴史地区指定後にキング牧師が生活していた当時と同じ風景に生まれ変わらせたそうです。
↓キング牧師と親交があり、インドの植民地支配と『非暴力・非服従』の精神で闘ったガンジーの銅像もありました。
ビジターセンター
キング牧師の活動の歴史を学べる
ビジターセンターでは、写真パネルや映像で彼の生前の活動を知ることができます。
リンカーンの奴隷解放宣言以後も南部の黒人たちは日常生活の至る所で差別を受けてきました。それに抗議する人々の活動、公民権運動についてキング牧師の活動と共に紹介されます。
ワシントン大行進におけるキング牧師の有名すぎるあの演説の全文が壁に書かれています。1963年8月、リンカーン記念堂の前で17分にわたって『I have a dream』の演説がされました。
↓ビジターセンターの中心にある目をひくオブジェ。人種の異なる様々な人々が同じ方向にくかって歩いています。
キング牧師の葬儀の様子
キング牧師は1968年4月4日、メンフィスで演説を行った後、郊外のロレインモーテル(Lorraine Motel)306号室のバルコニーにおいて暗殺されてしまいました。
↓葬儀の際に彼の棺を運ぶのに使用された粗末な木製の馬車。
この馬車の後ろには5万人以上の人々が参列者として従っており、その最後尾がわからないほどだったそうです。棺の付添人はデニムの上下という粗末な服装をしていました。
ジョージア州の2人の英雄
こちらのビジターセンターでは同じくアトランタのあるジョージア州の英雄、ジミー・カーター第39代大統領についても紹介されていました。
2002年にノーベル平和賞を受賞するなど、大統領退任後も平和外交に尽力したカーター大統領。キング牧師と同じくジョージア州の出身だったとは知りませんでした。
生家見学ツアーに申し込もう
歴史地区内にあるキング牧師の生家はビジターセンターで事前に見学ツアーに申し込む必要があります!なんと参加料金は無料。
夏季は10:00~17:00の30分間隔、冬季は10:00~16:00の1時間間隔
ビジターセンター入口にある受付で当日分のチケットを受け取りましょう。入手できたら指定の時間に『キング牧師の生家』となりにある待合所に集合するように告げられます。
※人気のツアーなので繁忙期には無くなってしまうこともあります。なるべく早い時間に訪問してチケットを入手しておきましょう!
キング牧師の生家(Birth Home)
写真左がキング牧師の生家です!右のピンクの建物はギフトショップと見学ツアーの待合所になっているので、ツアー参加で集合する際は場所を間違わないように注意ですよ~。
ツアーはだいたい30分程度で終了します。ガイドさんの解説に従って生家の中を見学できます。1回のツアーにつき参加者は10人程度でしょうか。世界各国から集まっていました。家の中は写真撮影が禁止されています。マナーよく見学しましょう。
↓生家の前にはレリーフが刻まれています。
↓生家の前で、2人の子供と一緒に写るキング牧師。
キング牧師は1929年、この家で生まれてから12歳までを過ごしました。内装は当時のまま残されており、1930年代のアメリカ中流家庭の生活を垣間見ることができます。ガイドさんから当時の生活様式やキング牧師の小さい頃のエピソードを聞くことができ、貴重な機会となりました。
↓キング牧師の生家周辺も歴史地区に指定されるにあたって、リノベーションされました。左が改装前、右が改装後です。
キング牧師のお墓
歴史地区を訪れたら必ず行ってほしいのが、キング牧師が眠るお墓です。美しい人工池の中心の棺に眠るキング牧師。お墓とは思えないほど、周囲は美しく整備され世界中から参拝者が訪れるそうです。
その隣には2006年に亡くなったキング牧師の妻、コレット夫人の棺もあります。コレット夫人はキング牧師が暗殺された後も、その遺志を継ぎ活動を続けたそうです。
キング牧師ゆかりの教会
お墓の西隣には、キング牧師が牧師として活躍し始めた所縁のある教会、エベニサー・バプテスト教会(Ebenezer Baptist Church)です。赤煉瓦の歴史ある建物が素敵です。
教会内部の様子。あまり広くはありませんが、素朴で清潔感のある教会ですね。
キング牧師の肖像画もありました。
さいごに
以前の旅で、キング牧師が暗殺されたメンフィスのロレイン・モーテルを訪れていたので、今回のアトランタ旅行の際、彼の生家とお墓を見学できたのは大変貴重な経験でした!彼の死から50年以上経過した今も、アメリカで多大な影響力を持っていることがわかります。
↓メンフィスでの公民権運動博物館について紹介した記事はこちら。
【メンフィス】キング牧師暗殺の地ロレインモーテル、公民権運動博物館で黒人差別の歴史を学ぶ。