カンクンを訪れた方は、遺跡ファンでなくても行ってほしい。メキシコで最も人が訪れる考古学遺跡であり、世界遺産であり、2006年に『新世界の七不思議』の一つに投票で選ばれた世界屈指の史跡であるチチェン・イッツァ遺跡です。このククルカンのピラミッドに見覚えのある方もあるはず。
ちなみに『新世界の七不思議』には、他にタージマハルやマチュピチュが選ばれています。日本の清水寺はおしくも最終選考で敗れました。
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チチェンイッツァ遺跡とは?
メキシコのユカタン半島にある古代マヤ文明の遺跡です。チチェンとは「井戸のほとり」、イツァとは「水の魔術師」という意味をもつそうです。世界遺産に登録されたのは、1988年。中央にそびえる迫力あるククルカンピラミッドで有名です。代表的なマヤ文明の特色として、高度な建築技術と正確なマヤ歴をはじめとする天文学がありますが、遺跡内にはそれを肌で感じることのできる史跡がたくさん。
ちなみに、マヤ暦といえば、マヤ歴の最期の日がXデー、人類滅亡の日にあたるなどど予言がされ、世間を騒がせましたね。最初が2012年だったのが、2015年に。どんどん伸びて今では2020年だ!といろいろ説があるそうですが…真相は謎です。オカルトな話題も尽きないマヤ文明ですが、この遺跡ではマヤ文明の当時としてはかなり高度な暦の知識に感銘を受けること間違いなしです。
アクセスと入場料
カンクンから車で約3時間のところにあります。入場料は大人1人200ペソでしたが、カンクンから多数のツアーが催行されており、セノーテ遊泳付のプランもあるので、ツアーで来ることをおすすめします。せっかくこの遺跡を訪れるならば、ガイド付きの詳しい解説と一緒に回るほうが勉強になると思いますよ。見学時間は3時間ほどでしょうか。遺跡内は日陰が少なく、日中はかなり暑くなるため、熱中症対策は万全にしてください。
[アクセス]
大人気の遺跡なのでいついっても混雑しています。入場ゲートの様子。トイレやバー、売店など揃っています。
★カンクンでの現地ツアーは”VELTRA“で豊富に扱われていますので、行かれる方はチェックしてみてください。ポイントがたまるのでおススメです。
主な見どころ
ゲートをくぐって、土産物屋の出店が並ぶ道を通過すると、世界遺産のモニュメントがあります。世界遺産認定マークが刻まれたモニュメント。こういうものがあること初めてしりました。遺跡内はかなり広いので、事前にマップで位置を調べておいたほうが良いです。
ククルカンピラミッド:手をたたくと音が跳ね返る不思議
遺跡のほぼ中心部に位置し、最も有名な建造物がこのククルカンのピラミッド『エル・カスティージョ』。エジプトのピラミッドとは違いお墓ではありません。宗教儀式に使われていたといわれており、『ククルカンの神殿』とも言われています。一辺が56m、高さは24mで、上からみると正方形の形になります。写真の人間と比べるとその迫力が伝わりますよね。
すべての階段の段を数えると365段にあり、太陽暦の1年を表しており、このピラミッドがそのままカレンダーの役割を果たします。『ククルカン』とは羽を持つ蛇の姿をした農耕の神だそうで、実はこのピラミッドの中にもククルカンの姿が。
ピラミッドは北東側が正面といわれており、その階段の下にんべ~っと舌を出したククルカンの頭が。春分・秋分の日の日没時には、光と影により蛇が降臨しているかのような姿が浮かび上がる仕組みになっており、現在では『ククルカンの降臨』といわれる大人気イベントになっているそうです(写真がなくてすみません)。
つまり、建築当時から暦を完全に把握し、春分・秋分にククルカンの降臨が起こるよう計算してこの場所にピラミッドを立てたわけですね~。恐るべきマヤの人々…。ちなみにマヤ文明は日本でいる古墳時代~平安時代まで栄えたそうです。
昔は観光客が階段を登って頂上の神殿内を見学でいたそうですが、過去に観光客が不運にも落下し亡くなった事件があったそうで…今から下から見上げるだけになっています。
ここに来たら絶対にやってほしいのが、ピラミッドの下で手を叩くこと。このピラミッドの素材の特性上らしく音がきれいに反響して、手を叩くとその音が反響して聞こえるという不思議体験ができます。なので、ピラミッドの下には大勢の人が集まって一生懸命手を叩いている姿が。なんだか日本でいう神社へのお参りの様で面白いです。
ピラミッドの正面部分などは、階段がきれいに復元されていますが、裏面は発見当時のままの姿、階段も崩れてぼろぼろの状態です。
この遺跡はマヤ文明が滅んだあと、数百年ほどジャングルの中で放置されており、その後スペイン人たちに発見されるまで手付かずの状態だったそうです。こちら側を見て、当時の様子を窺い知ることができますね。
球戯場の後:命がけのゲームが行われていた!
ここがかつて命がけの儀式が行われていたという球戯場です。全長168メートル幅70mもあり、発見されたマヤの球戯場の中で最大といわれています。
ここで行われていた儀式というのが、ひじやひざなどを使って、壁のリングを通す命懸けのボールゲームです。球戯場の側面にある壁には、彫刻が描かれてありそこから儀式の様子を知ることができます。
このゲームに参加したチームリーダーが斬首される様子も…。すっとゲームの敗者が斬首されると考えられていましたが、近年の研究では名誉ある死を遂げることができると勝者のほうが斬首されていた…との説もあるそうです。今となっては真相は定かではありませんね。
ちなみにこのゲーム、実際にやろうとするとかなり難易度高そうです。リングかなり小さいですから!
生贄の泉(セノーテ):実際に生贄が飛び込んでいた!
ピラミッドから20分ほど歩いたところにあります。かつては水は美しく澄んでいたそうですが、今では緑色に濁ってしまっていますね。
生贄の泉と言われるだけあって、豊穣を祈るため実際に人間の生贄や財宝が投げ込まれていたんだとか。後にアメリカ人探検家がこの泉の底を調べていたところ、たくさんの人骨が出てきたことから、信憑性が証明されました。手前にある建物の遺跡は、泉に飛び込むのを生贄の人の待合所らしく、なんとも複雑な気持ちに。
その他の遺構たち
この他にも遺跡内にはたくさんの建造物が残っています。ガイコツが描かれた台座がありましたが、これは戦闘部族であったトルテカ文明の影響だそうです。
マヤの正確な暦の知識を支える天文設備の遺跡もあります。
お土産の露店がたくさ~ん。ドクロ多し。
遺跡内にはこれでもかとお土産屋の露店がひしめき合っています。呼び込みの声も多いので、ちょっとびっくりしますが。基本的にカンクンでも買えるものばかりだと思いますが、ドクロや遺跡をモチーフにしたお土産が多かったので、見るだけでも楽しめました。
ハンモックや生地もたくさん売っています。
遺跡で見られるユカタンの自然
遺跡内には緑もあり、テキーラの原料となるトゲトゲの植物も発見。テキーラの原料なんて初めて見ました。
遺跡内の地面になぜか貝殻発見。この辺りは大昔、海の地層であったことから貝殻がよく地面に含まれているそうです。面白いですね~。
まとめ
本当に見所の多かったチチェン・イッツァ遺跡。日本からだと馴染みの少ないマヤ文明ですが、調べてみると本当に奥が深い。ロマンがあります。行って後悔はないので、セノーテと合わせてぜひ訪問してみてください。
★チチェン・イッツァ遺跡から車で10分!セノーテ・イキルについての記事はこちら。
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