ワシントンDC観光の目玉といえば、すべて無料のスミソニアン協会のミュージアム見学!数あるスミソニアンミュージアムの中でも人気No.1といわれているのが空と宇宙への夢がたっぷり詰まった国立航空宇宙博物館です。ワシントンDCのダウンタウン中心部にある本館のほか、別館があるのをご存じでしたか?
別館は正式名称『ウドバー・ハジー・センター(Udvar-Hazy Center)』といい、2003年にライト兄弟の動力飛行成功100周年を記念してオープンしました。
★国立航空宇宙博物館 本館については下の記事をご覧ください。
ウドバーハジーセンター概要
ウドバーハジーセンターはワシントンDC郊外にあり、バスを乗り継いでいく必要があります。アクセスの関係から、ワシントン・ダレス空港の利用に合わせて行くと便利です。
★行き方については下の記事をご覧ください。
[アクセス]
Udvar-Hazy Center (館内図はこちら)
毎日10:00~17:30(夏季は延長あり。12/25を除いて無休。)
右の写真のタワーは展望台になっており、専用エレベーターで昇ることもできます。
ダウンタウンからバスで約1時間、ワシントン・ダレス空港からバスで15分のところにあります。本館に比べるとアクセスが悪いのが難点ですが、この別館は本館を上回る実機の展示数を誇ります。本館が航空宇宙技術の展示に力を入れているのに対して、こちらは実機の展示が非常に充実しています。館内面積が東京ドームの約1.5倍というのも驚くところ。
目玉の展示としては、宇宙飛行士も多数搭乗し、宇宙を39回も行き来したスペースシャトル『ディスカバリー号』。広島に原爆を投下した『エノラ・ゲイ号』、太平洋戦争期の日本の戦闘機『紫電改』や『春嵐』、特攻機として開発された『桜花』まで。日本人なら見逃せない展示がたくさんあります。戦闘機の他にも超音速旅客機として有名な『コンコルド』も。館内面積の広さを活かした展示方法にも注目してください。
本館同様、ゆっくり時間を使って見学されることをオススメします。管理人は3~4時間ほど滞在しました。
別館の周りには飲食店が何もありませんが、館内にマクドナルドがあるのでそこで昼食をとることができます。館内のエントランスには大型のコインロッカーもあるので、大きめの荷物があっても預けることができます。
入場から荷物預入れ
↑ゲートをくぐったエントランス。場所柄なのか本館ほど混雑はしていません。セキュリティチェックは本館同様、荷物の中の目視確認と金属探知ゲートのみです。
管理人はワシントンDC最終日、空港利用に併せて来館したので、中型のバックパックで入場。警備員の方に若干の迷惑をかけながらも無事にセキュリティチェックを終えました。コインロッカーは入場してすぐ右手にあります。なお、コインロッカーには25セント硬貨が必要(返却されます)になるので、利用したい方は忘れずにご用意ください。
↑エントランスに設置された画面に、その日のガイドツアーの予定が表示されます。ガイドツアーは英語のみでしたが、スペースシャトルについてのガイドツアーや館内の有名展示を周ってくれるツアーなどがあります。管理人はエノラ・ゲイ号のガイドツアーに参加することにしました。
集合場所はツアーによって変わるので、ガイドツアーに参加したい方は、隣のインフォメーションセンターで集合場所を確認しておいたほうが良いです。ちなみに、管理人はこの時一緒に帰りのワシントン・ダレス空港行のバスの時刻について確認しました(約15~30分おきに運行されています)。
北側展示階 アメリカ軍用機がズラリ
↑展示階へはスロープを下って下に降りていきます。一番最初に目に入ってきた飛行機。
第二次世界大戦期のアメリカ陸軍の戦闘機カーチスP-40。性能的には平凡ながらも量産体制が整っていたことから幅広く活躍。日本軍の飛行機とも何度も戦闘を交えたそうです。
サメ?の顔のようなペイントがかなり印象的です。これは『シャークマウス』と言って、当時兵士の士気を高めるためによく施されたペイントなんだとか。カーチスP-40はそのままだと鈍重で不細工な機体だったので、このペイントにより精悍さを増す効果があったとか。
確かにサメの口があることでより強そうに見えないこともない…。でもちょっとポップな印象になりやしないかい?と思案。このシャークマウスのペイントが施された飛行機が見れる機会はなかなか無いので貴重な出会いでした。
↑こちらも第二次世界大戦期のアメリカ陸軍の戦闘機F4Uコルセア。
↑2階の渡り廊下から北側展示階を見下ろした風景。ベトナム戦争や朝鮮戦争、冷戦期あらに活躍した機体から最新鋭の軍用機も展示されています。
北側最奥にはグラマン社製のF-14Aトムキャットの展示も。これはトムクルーズが映画『トップガン』で乗った機体として有名です。飛行中に自動で角度が変わる翼(可変翼戦闘機)としてスタイリッシュな機体に多くの航空機ファンを引き付けているそうです。
管理人は近くでの写真を撮り忘れてしまいました。
超音速偵察機 SR-71ブラックバード
↑エントランスのちょうど正面に位置し、その大きさとデザインからかなり目立つ存在です。マッハ3を超える速度を誇る世界最速の有人ジェット機ということだから驚き。アメリカロッキード社製です。初飛行は1964年と意外に古い…。高い整備コストや偵察衛星の発達によって1990年には退役しましたが、ベトナム戦争では沖縄基地からも偵察のため発進していたそうです。その大きさからまるで宇宙船?のような見た目。名前のとおり全身真っ黒でちょっと不気味…。シャープなデザインながらも威圧感がすごかったです。
↑各機体の説明はこのようなパネルに書かれています。主に機体の性能面での説明ですね。
圧巻!スペースシャトルディスカバリー
↑ブラックバードの奥に、スペースシャトル専用の展示室があり、巨大なスペースシャトル・ディスカバリー(もちろん実機!)が鎮座しています。周囲の人間と比べるとその大きさがわかるでしょうか。
ディスカバリーはNSAのコロンビア、チャレンジャー号に続く3機目のスペースシャトルであり、1984年の初飛行から2011年まで25年以上の長きにわたって活躍し、過去最多39回ものミッションを成功させてきました。39回もの飛行において約365日宇宙に滞在し、その間地球を5,830周もしたというから驚きです。向井千秋、若井光一、野口聡一さんなど日本人宇宙飛行士も多く搭乗し、世界で最も有名なスペースシャトルといってもいいのではないでしょうか。
↑機体の前方部分。滑走用のタイヤがみえます。
↑機体を横から見た姿。機体のお腹の部分は大熱材が敷き詰きつめられています。ところどころ剥がれているところにシャトルの歴史を感じますね。
↑機体の前方部分です。丸い円部分がシャトルへの出入口。意外に小さくて驚きました。この展示室のすごさは、機体を下からも上からも360度すべての角度から間近で見られる点ですね。
↑後ろからの姿もドーン。こんな巨大なエンジンは初めて見ました…。
↑ディスカバリー号の説明パネル。パネルの他に実際の発射シーンの映像が流れる画面があって観ることもできます。映像の中のシャトルが目の前にあると思うと感動しますね。
↑最後にシャトル全景。この展示室は、ディスカバリーだけでなく宇宙服などアポロ11号の関連展示も充実しています。なお、アポロ11号の司令船は本館に展示がしてありました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ウドバーハジーセンターはとても展示品が多く、記事を2つに分けました。旧日本軍の戦闘機や、エノラ・ゲイ号等を含む続きはその2をご覧ください。