グランドサークルのひとつである、アンテロープキャニオンとホースシューベンド。どちらもアリゾナ州ペイジにあります。どちらも近くにあるので一緒に回るのが定番の観光。
アンテロープは近年、テレビに取り上げられたり、絶景と評判のスポットなので興味をお持ちの方も多いハズ。素人に本当に絶景写真が撮れるのか確かめてきました。
アンテロープというと、実はアッパーとロウアーの2つの場所があります。どちらに行こうか迷っているかたは、下の記事を参考にしてみてください。今回、管理人はロウアーを訪問。
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アンテロープキャニオン:アッパーとロウワーの特徴
アンテロープは周囲の砂岩が風や雨の侵食により、長い年月をかけ形成された渓谷です。そして、アッパーとロウアーの2つの見学コースがあり、それぞれ違った特徴があります。
ツアーで行く場合もアッパーかロウアーのどちらに行くのか確認された方がよいでしょう。ラスベガス発着の1日で両方回るツアーも催行されているので、最初からそちらを選ぶのもおすすめです。
アッパーでの光のビームは夏季のみ
知名度だけでいうとアッパーのほうが断然高いと思います。ガイドブック等でアンテロープと紹介されているのもアッパーの方だったりします。と、いうのも夏季に見える光のビームが有名だからなんですね。光のビームは外から降り注ぐ太陽光が強い時でしか見れないので、夏季のしかも午前中の訪問でないと見るのが難しいのだそうです。
アッパーで光のビームを見たいという方は訪問のタイミングに注意して訪問してみてください。
冬季はロウワーの方が写真はきれい
アッパーのほうが空間が広いのに対し、ロウワーは階段をつたって下へと降りて行き、狭い渓谷内を歩いて進む感じです。階段はかなり急であり、通路も狭いため、足腰に自身の無い方はアッパーのほうが良いかもしれません。
ただし、太陽光の少ない冬季の場合は、V字型で日光が差し込みやすくなっているロウワーの方が写真が美しいと言われています。管理人は、冬季の訪問であったことと、ロウアーで探検気分を味わいたかったという理由でロウアーを選択しました。
アクセスと見学方法:ロウアーアンテロープキャニオン
ラスベガスから行く場合、車で約5時間。かなりの長旅になります。レンタカーを使って自力で行くこともできますが、距離が距離だけにラスベガスから催行する旅行会社のツアーに参加した方が楽に旅行ができるかもしれません。特に冬場は路面が凍結することもあるので自力だとリスクが高いです。
★ラスベガス発着のアンテロープキャニオンツアーは”VELTRA“で豊富に扱われていますので、是非チェックしてみてください。ポイントがたまるのでおススメです。
現地でナホバ族のツアーに参加必須
旅行会社ツアーや自力を問わず、アンテロープの中に入って見学するには、別途現地でナホバ族の方がやっているツアーに参加することが必須となっています(ナバホインディアン居留区内にあるアンテロープ、勝手にアンテロープ内に入ることは固く禁止されています)。
今回はナホバ族の方がやっているKen’s Toursに参加しました。
ツアーはGeneral tourとPhotographer tourがありましたが、General tourを選択。入場料はひとり33ドルでした(25ドル+観光税8ドル)。結構高い…。
ちなみに、General tourはツアー見学時間1時間の通常コース。Photographer tourはかなり本格的でアマチュアのカメラマンさんが同行のうえ、見学時間も長いようでした。
公式HPから事前予約もできますので、スケジュールがタイトな人は予約してもいいかもしれません。アンテロープキャニオンは天候がとても重要になってくるので天気予報を見ながら予約日を見定めましょう。※洪水の時期にあたると、当然ツアーは催行不能になってしまいます。
↑こちらがKen’s Toursの事務所。事務所内で受付後、ナホバのガイドさんに呼ばれるのを待ちます。
↑事務所の隣に大きめの駐車場もあります。後ろの煙突はアメリカ政府がナホバ族の就労支援として建設した火力発電所だそうです。青空にたなびく白い煙が美しい…。
ツアーガイドとしてナバホ族の方が同行
ツアーガイドとしてナバホ族の方が1名同行してくれました。
ナバホ族はナバホ語が母語ですが、ツアーガイドの方は英語も普通に使いこなしています。ナバホ族の間にも最近では専らアメリカ文化を取り入れており驚くことではないのかもしれません。
ガイドさんは頼むと快く写真撮影にも応じてくれます。何百回もツアーに同行し、アンテロープ内の写真の撮り方を熟知されているんでしょう…写真を撮るのがとても上手かったです!わざわざ、Photographer tourでカメラマンさんを付ける必要ないじゃんと思う程。
カメラを渡すと勝手に撮影設定を細かく調整してくれて、奇跡の一枚ばりの写真を撮ってくれるんですね。アイフォンでの撮影もお手の物って感じでした。スッゴーイ!ちなみにスッゴーいはナバホ語ですごい!という意味だそうです。偶然の一致。
ナホバ族の祖先は日本人と同じモンゴリアン系。皆さん比較的小柄でアジア系の顔立ちをされています。『スゴイ!』の表現が似ていたりととっても親近感ですね。
いざアンテロープの内部へ!急な階段を降りていく。
Ken’s Toursの事務所から歩いてロウアーアンテロープの入口を目指します。い~い天気に感謝。ツアーは10~15人程度で1グループでした。
歩いて5分ほどで入り口に到着です。階段が続いています。
階段(もはやハシゴ)はそれなりに混雑しますが、焦らずゆっくり降りましょう。
こんな感じでかなり急です。小さいお子さんを連れた方など途中で断念される方もいました。
なんとか最下層まで到着!降りた直後の空間は観光客が沢山いて芋洗い状態でした(笑)!
これが、ゴールまで続くと思うと、がっかりしますが、しばらく待つと人は掃けていき、落ち着いて写真をとれる状態になりました。根気よく、人が少なくなるのを待ちましょう。
近年、アンテロープは国内外の方からも人気の観光地となっているようで、時期によってはかなり混雑しているようですね…。比較的人の少ない午前中早めの訪問をおすすめします。
アンテロープの内部:カメラの設定をお忘れなく
そしてアンテロープの中に入って忘れてはいけないのが、カメラのモード設定。推奨されている設定はいわゆる『曇天モード』だそうです。管理人あまりカメラの設定に詳しくなかったので困りましたが、最悪ガイドの方が助けてくれると思います!←おい
カメラの設定によって全く写真の雰囲気が変わるのが面白いですね。ちゃんと一眼でなくても、光の入り方を調節できる機能があるカメラであれば、美しい写真が撮影できると思います。アイフォンなどのスマートフォンでも十分綺麗なものが撮れるとガイドさんも言っていました。
見どころ:激流で削られた様々な曲線
鉄砲水が作り出すという不思議な地形。地球とは思えない…もはや宇宙すら感じてしまう光景です。
洪水があるたびに、微妙に形が変わるため、一期一会な地形でもあります。そして、この生きているかのような躍動感ある地形ですが、その形から様々なものに例えられていました。いくつかご紹介。
Lady in the wind = ビ〇ルサスーン?
風に髪の毛が流される女の人のように見えませんか?どっかで見たことあるぞこれ…そうだシャンプーの『ビ〇ルサスーンのロゴ!』と納得。いやほんとこの曲線がすごい…奇跡の形だと思います。
Smiling Shark = ニモに出てたサメー!
笑っているサメのように見えませんか?そして特にこのサメはディズニー映画『ファインディングニモ』に出ていたサメのブルース!そっくりではないか。あまりの一致に絶句…。
その他、美しい絶景の数々
この他にも熊や人の横顔など、いろんなものに例えられた地形がたくさん。皆見つけるの上手だな~と感心。
↓砂漠の光景のような写真も撮れました。
そして、アンテロープの写真はWindowsのデスクトップの基本の写真に必ずといっていいほど登場しているそうです。そう言われると見覚えが。
そして、これらの地形は次に鉄砲水が中を通ると、失われる可能性があるんですよね…。なんとも神秘的で幻想的な空間です。
結論からいうと、カメラの全くの素人でも美しい写真は撮れましたし、冬の日照量でもアンテロープの絶景を十分に満喫できたと思います。
スタートからゴールまで約1時間のツアーは終了。再び地上にはしごで上がります。
↑アンテロープを地上から見た写真。大地の裂け目って感じですね。この隙間から太陽光が照射され美しい光景が作り出されていたわけです。
ここまででナホバのガイドさんに分かれを告げ、次の絶景ポイントであるホースシューベンドへ!
ホースシューベンド:高所恐怖症の方は注意!
ホースシューベンド(Horseshoe Bend)とはコロラド川が馬の蹄鉄のように蛇行している場所のことです。その形状からついた名前なんですね。
アクセス
ロウアーアンテロープからホースシューベンドまで車で15分ほどで到着します。入場料も必要なく、野ざらしの状態なので大変お得な絶景です。
駐車場からは徒歩15分
駐車場から絶景ポイントまでは歩いて15分ほど行ったところにあります。ピクニック気分で進みましょう。
昔はドローンでの撮影が可能であったそうですが、現在は禁止になったそうです。周囲に施設らしい施設はなく、駐車場に看板があるのみでした。
崖からの眺めはものすごい迫力!柵もなんもない!
そして、ホースシューベンドに到着!柵も何もないのが驚き!ナバホ族居住区のためアメリカでは必須であるはずの安全柵を取り付ける必要が無いんだとか…。
そのため、柵に邪魔されず美しい景色を楽しむことができるのがこの場所の魅力…なのですが、2010年に転落事故も起きているので十分気をつけてくださいね!割とマジで。
落ちたらまず助からないだろうという世界です。高所恐怖症の方には無理だ…。
こんな感じで観光客の皆さん、けっこう崖ギリギリまで攻めて眺望を楽しんでいます。安全のため、ほふく前進がおすすめですよ…。
ドローンは現在禁止ですが、この景色をみたらドローンで上から撮ってみたくなるのがわかります。そんな素晴らしい絶景でした。
これだけの絶景が入場料もなしに楽しめて、ほぼ野ざらし状態ってのは本当にアメリカってすごいよな~と思いました(笑)。
さいごに
アンテロープキャニオン、ホースシューベンドどちらも行って後悔のなかった絶景です。LAやラスベガスから少し遠いですが、是非行ってみてください。
★アンテロープと一緒に回るのがおすすめ。グランドサークルについての記事はこちら♪