ミズーリ州・セントルイスにはバドワイザービールで有名なアンハイザー・ブッシュのビール工場があります。同社で生産量No.1を誇るビール工場として有名で、工場見学からビールの試飲までできる工場見学ツアーが大人気。セントルイスに来たら絶対訪れたい観光スポットの一つです。
ツアーの参加方法や見学内容についてご紹介します♪
Contents
アンハイザー・ブッシュとは?
アンハイザー・ブッシュ(Anheuser・Busch)は生産量では世界第3位のビール会社、社名よりも主力商品のバドワイザー(Budweiser)のほうが有名かもしれません。
↓1852年にドイツ系アメリカ人のアドファス・ブッシュ氏によって創業されました。やはりビールと言えばドイツ!ドイツ系の移民の方が創業されたんですね。
19世紀中頃、新天地アメリカに夢を求めてドイツから裸一貫移民してきた若きブッシュ氏は、もともとビール醸造を営んでいた妻の実家のアンハイザー家と共にビール会社を設立。アンハイザー・ブッシュの会社名は両家の名前から取られているんですね。
そのビール会社が今や全米No.1のビール会社に成長。まさにアメリカンドリームを体現しているわけです。
↓会社のロゴ。アンハイザーのAに鷹がかっこよい!
↓アメリカ国内では他12のビール工場があります。本社および主力工場がここセントルイス。
セントルイスとの関係は深くダウンタウン中心部に社名を冠したブッシュマンスタジアムもあります(大リーグ、セントルイス・カージナルズの本拠地)。
ちなみにセントルイスのBarでアンハイザーブッシュのビール以外をオーダーすると『お前空気読めよ…』みたいな空気になるらしいです(わりとまじで笑)。
アクセス
セントルイスのダウンタウンにあります。工場へのバスもあるため、主要駅からバスでのアクセスも可能です。
Anheuser-Busch
ツアー時間:9月~5月毎日10:00~16:00、6月~8月毎日9:00~17:00 ※日曜日は11:00~、祝日は催行無しの場合もあるため注意。
↑ツアーを催行するビジターセンターへはこちらの赤い看板が目印。
駐車場
右の大きい建物がツアーを催行する建物。目の前にビジター用の大きい駐車場があるため駐車スペースには困りません。しかも無料でありがたい限り。
館内の様子
こちらが建物の入口。麦のイラストが描かれています。
隣には同じく大麦が描かれた巨大タンク。工場見学への気持ちが高まります。
ビジターセンター内部も工場とは思えないほど洗練されています。
中には会社の歴史やバドワイザービールの製法などが視覚的に紹介してあります。
↓こちらはビールの様々な種類の原材料。近くで見れるようになっています。
ツアー参加について
ツアーの受付はビジターセンター中央にあるカウンターで行います。ビアスクールなど有料のものをありましたが、無料で催行している基本のツアーが『Brewry tour』です。カウンターに行って参加したい旨伝えると、直近の開始時間を支持され時間になったら待合スペースで待つように言われます。
なお試飲の際に年齢確認の必要があるため、必ずパスポートを持参してください!ツアー開始時間まで時間がある場合もビジターセンター内の展示を楽しんだりと、時間は十分につぶせます(おそらく30分程度間隔で催行されいる)。
ちなみにAnheuser-Buschの公式HPでもツアーについて説明があります(英語サイト)。最初に生年月日を入力してお酒を飲める年齢でないと中を見れない仕組みでした!すごい徹底ぶり~。
約1時間の無料ガイドツアー
ツアー開始時間になるとガイドさんが来て参加者を外に連れ出します。工場施設は赤煉瓦で統一されていて工場とは思えないほど美しい。工場内には麦汁の甘い匂いが漂っています。日本の甘酒みたいな匂いがしました。
ビール工場なのに巨大な馬が!
まず最初に連れているのは馬の飼育場!なぜビール工場に馬!?と驚くところなんですが、その昔まだ流通が確立されていない時代、クラウスデールという大きい種類の馬に引かせた馬車でビールの運送を行っていたんだそうです。現在ではその役目はトラックに変わっていますが、今でもトラックにはしっかり馬が描かれていました。
↓偶然撮影できた馬とトラックのコラボ。
昔運送に使った馬車と馬小屋
外で馬を見学した後は隣のホールのような建物に。
ステンドグラスとシャンデリアが美しい建物。中には昔馬が引いていたという赤い馬車が。記念撮影を楽しめます。
そして、なんと隣には馬小屋が。こんな豪華な馬小屋があるとは!近くでクラウスデール種の馬たちを観れます。ちゃんと名前もついていて、近くで見ると本当に大きい。北海道の農耕馬みたいな感じですね。
かつてアメリカで禁酒法が執行された時代、ビールを作っていたバドワイザーも経営の大ピンチに…なんとか冬の時代を乗り切って1933年にやっと禁酒法が解かれた際、ルーズベルト大統領への感謝のプレゼントとして馬車でセントルイスからワシントンまでビールを届けたというエピソードがあるそうです。
それ依頼、馬はバドワイザーのシンボル的存在、とっても深い関係があるんですね。しかし現在でもその馬を工場内で飼い続けるっていうのは本当にすごいな~。
↑なんとベンチの飾りも馬!ところどころに馬がいる。
ビールタンク
馬を見た後は、巨大なビールの熟成タンクが並ぶエリアへ。ビールを熟成させることで炭酸化・透明化させるそうです。
ビールの製法説明
タンク室を出ると、再び外へ出て出来立てのビールが飲める試飲室へ。パスポートで年齢確認をすると、トークン(木製コイン)とプラスチックカップに入ったバドワイザーを1杯もらえます。トークンはツアー終了後にビアガーデンでビール一杯と交換できますので無くさないように保管しましょう!
バドワイザーを飲みながらほろ酔い気分のままガイドさんから製法についての説明を聞くことができます。様々な原材料をブレンドして現在のテイストを作っていることがわかりました。
マッシュタンクへ
試飲室からそのままエレベーターに乗ってマッシュタンクの見学に行きます。マッシュタンクとは粉砕した麦芽のでんぷんを糖化させるステップです。簡単言えばお湯に麦芽を入れてかき混ぜる工程ですので、部屋全体が少し暑かったです。
ガラス張りになっていてなんと素敵な工場内部!
こんな装飾が凝った工場内部は初めてです…。美しい…。
再び外へ:美しい工場建築物
この赤煉瓦の工場は、1892年に建てられましたそうです。時代が進んでも、外観はそのままにリノベーションされているため、当時の面影を残します。本当に工場とは思えないほど美しい!時計塔もあります。
青空に煙突からでる白い煙が映えますね~。
外に出て少しガイドさんの説明が。ミズーリ州で禁酒法が制定されたのは1919年。ビールの販売ができなくなってしまった会社はアイスクリームやソフトドリンクを製造してこのピンチを乗り切りました。下の写真の像は当時販売したアイスの広告に使われていたそうです。
アメリカ禁酒法時代…名前だけは知っていましたが、アルコールの販売が全面的に禁止された時代があったなんて今では考えられませんね。
ビアガーデンで再び無料ビールが楽しめる
工場内の見学を終えたら、ビジターセンターの隣に併設されたビアガーデンに行きましょう。このビアガーデン、レストランも兼ねており普通に食事もできます。
無料で1杯オーダー可能
ここで驚いたのが、ツアー中に試飲室でもらったトークンと交換でビール一杯無料で飲むことができること!『えっさっきバドワイザー試飲したのに良いの!?』と驚きながらも…カウンターへ。選べるビールは15種類以上あります。アルコールが飲めない方もソフトドリンクが選べるのでご安心を。
ちゃんとまるまる1杯注いでくれます。無料のツアーでここまでできるなんてお得すぎる…。
食事メニューも充実
昼前だったのでついでに食事をとることに。看板メニューらしい『The King】というハンバーガーとフライドポテトのセットを注文しました(12ドル)。
アンガスビーフを使ったバーガーで予想以上に美味しかったです。ビールとのコラボが最高~。
なぜか最後にバドワイザーロゴのネックレスまでくれました。嬉しい~。
ギフトショップ
時間が許せば是非ゆっくりビジターセンター内のギフトショップも回ってみてください。バドワイザーグッズがこれでもかと並んでいます。
ツアーは無料でも結局このギフトショップでけっこうお金を使ってしまうというオチ。
さいごに
ビールの試飲サービスが充実していて満足感たっぷりのツアーだったのですが、やはり驚くべきは工場施設の美しさでしょうか。全米No.1ビール会社の威信をこれでもかと見せつけられた…そんな時間でした。ツアー自体は1時間も満たないので2、3時間もあれば全部楽しめる施設だと思います。セントルイス訪問で絶対おすすめしたいスポットですね。