【ニューメキシコ】一面真っ白の砂嵐、遭難の危機だった『ホワイトサンズ国定公園』体験記。

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ニューメキシコ州にあるホワイトサンズ国定公園(White Sands National Monument)は、雪のように純白な砂丘が広がり、世界最大のアラバスター(石膏の集合体)砂漠といわれています。

晴れた日には青空と白い砂丘のコントラストが、夕方にはピンクに染まった美しい砂丘が楽しめると有名な場所ですが、今回春にホワイトサンズ国定公園を訪れた管理人、春に頻発するらしい強風が原因の砂嵐に巻き込まれてしまいました!

もちろん自然が相手、いつでも絶景が楽しめるというわけではない…ということで砂嵐の体験談、行き方やビジターセンターについてもご紹介します。

行き方

ニューメキシコ州のアルバカーキから車で3時間半、テキサス州のエルパソからは約3時間です。エルパス観光と併せて行く方が多い場所でもあります。

直前で検問あり:パスポート必須!

エルパソからホワイトサンズに向かう場合、ラスクルーセス(Las Cruces)という町を経由して行くことになりますが、ラスクルーセスから国定公園入口までの70番道路上、ホワイトサンズまであと5分ほどいう地点で、国境警備隊による検問があります!

どうやら通行車がどこから入国したのかを確認している様子。パスポートを提示すれば普通に通過できますが、パスポートが無いとなにやら面倒なことになりそうなので、お気をつけください!

ホワイトサンズが近づいてくると、道路沿いの風景に白い砂が混じり始めてきます。あまりの白さに、雪!?ってなりますが、こんな季節に雪なわけないですよね。

↓そのまま、国定公園ドライブロードの入口に向かってもいいですが、まずは入口隣のビジターセンターを目指します。

このホワイトサンズ国定公園がある70番道路周辺は米軍によるミサイル発射場があることでも有名(かつてここで世界初の核実験も行われた)です。ということで周辺に民家などはなく、荒涼とした大地が広がっています。

ビジターセンター

ニューメキシコ州で多くみられるアドービ風建築のビジターセンターです。ホワイトサンズは正式には国定公園であり国立公園ではないのですが、国立公園と同じロゴで看板があります。

ホワイトサンズってなに?

ビジターセンターでホワイトサンズの成り立ち等が勉強できました。ホワイトサンズのあの白砂は水が蒸発して発生した石膏(アラバスター)が強風で削られ散らばってできたものなんだそうです。石膏なんですね。なるほど白い訳だ。ホワイトサンズ国定公園は、世界最大のアラバスター砂漠だそうです。

驚くことに説明パネルなどはすべて英語スペイン語併記!メキシコ系の方が多い地域ならではですね。

↓ホワイトサンズのある場所。メキシコとの国境にだいぶ近いことがわかります。エルパソもてっきりニューメキシコ州だと思っていたのですが、テキサス州なんですよね。

ホワイトサンズは時間によっても見せる姿が異なり、青空の下の白い砂丘も見事ですが、夕日を受けてピンク色に染まった景色も絶景みたいです。ビジターセンターの美しい写真を見てひたすらテンションがあがります。

 

このときビジターセンター上空は雲一つない青空!きっと美しい青と白のコントラストが見えるはず!とこの時点では確信し期待に胸を膨らませておりました…(笑)

砂漠の白い生き物たち

不毛の土地と思われる砂漠ですが、意外にもそこにはたくさんの生物たちが生活しています。面白いのは、そこで暮らす生き物たちの体の色。外敵から身を隠すため、真っ白な環境に適合して自身の体も白く進化していくそうです。もともと茶色かったトカゲや鳥もホワイトサンズでは白くなる。面白いですね。

ギフトショップ

国立公園巡りをしていて楽しいのが、ビジターセンターで限定のギフトを購入すること。公園についての書籍の販売も充実しています。

ネイティブアメリカンの文化が今も残るニューメキシコ州。ドリームキャッチャーなどの民芸品もよく売っています。

 

デューンズ・ドライブ (Dunes Drive)

ビジターセンターを出て、すぐ隣にデューンズ・ドライブという砂丘の中を通る1周約12kmのドライブコースがあります。ドライブにあたっては注意事項がいくつかあり、看板に記載がありました。

まず、ドライブコースを外れての車の乗り入れは禁止。砂の持ち帰りは禁止、飲酒は禁止などなどです。

入口の料金所で入場料を支払います(クレジットカード可)。1人につき5ドルを支払い、いざドライブ開始。現時点で、若干空は曇りかけ…ながらもまだ青空が見えていたのでさし当たって天候に心配もせず意気揚々とドライブを開始しました。

まさかの砂嵐発生(春には多い)!

ドライブコースを進むにつれて白い砂に覆われた大地が見えてきます。けっこう植物も生えているんですね。

 

そしてそれと同時にだんだんと空が暗く…いや白くなってきました。この強風、春先にはよく発生するようで…。風だけならいいんですが、これが砂漠で発生すると強風により白砂が巻き上げられて砂嵐状態に。

砂嵐発生時は試練と化す遊歩道

ドライブコースを5kmほど車で進むとインターデューン遊歩道 (Interdune Boardwalk)が見えてきます。ここにパーキングもあるので、車を止めて遊歩道へ。この遊歩道なら、砂漠内で迷うことなく、砂漠の中まで入っていけるんですね。車いすやベビーカーでも利用できます。

遊歩道の至るところに、説明パネルや休憩スペースもあるので、楽しめます。ホワイトサンズの砂丘上では様々な動物たちの足跡も見ることがきるようです。

 

晴天であればとても楽しい体験であったはずの遊歩道。しかし強風により砂が吹きあがり、顔や体中に砂があたってとにかく痛い!もう目も開けていられない状態になってきました!(泣)

かなり長い遊歩道でしたが、この砂嵐攻撃に堪らず、遊歩道上にいた観光客一同、途中で車へ退散しました!

地獄のピクニックエリア

遊歩道を過ぎて、そのままドライブコースを進みます。周囲はどんどん真っ白に…。もはや視界は1m程度!?空と大地の境目がわからん。砂が白いので吹雪みたいになるんですね。

前の車を頼りになんとか進みます。

これ戻ったほうが良いんじゃと思う程でしたが、ドライブコースは一方通行で円を描くように作られているのでそのままコースに従って進むことにします。コースを外れたら完全に遭難!ってやつですね。

要所要所にある看板を目印に超低速で進みます。

 

ドライブコースには至る所にパーキングスペースやピクニックエリアがあり、普段はここで楽しくピクニックランチを楽しんだり、ハイキングしたりするんでしょうが、この日は…。

砂嵐が吹き荒れるピクニックエリア内の机とベンチ。なんともシュールな光景を作り出しでいました。

更に強まる砂嵐…

こんな砂嵐の中でも意外に観光客はいるものです。もちろん皆さんこんな砂嵐に遭遇するとは思わなかったのでしょうが…。記念撮影のため頑張って外にでている人もいました。

せっかく長時間運転してここまで来たのだから…車の中だけにいるなんてなんともったいない…白い砂丘を登りたい…。

 

しかし車から外に出ようものなら、砂嵐が吹き荒れ、一瞬で砂まみれになります。痛くてとても目をあけていられません。あ~水泳用のゴーグルを持ってくればよかったなと本気で思いました。

悲惨な環境ながらも砂丘が作り出す砂模様は美しかったです。

更に風は強まり収まりそうにないので、あきらめて出口を目指します。途中、レンジャーの方の見回りの車とすれ違いました。

 

今回はドライブコースだけ回ったのでなんとか戻ってこれましたが、コースを外れてハイキング中にこんな砂嵐に遭遇したらひとたまりもありませんね…。実際、過去に何件か遭難事故も発生しているようです。自然の怖さを痛感。

無事帰還…急激に晴れていく空

驚いたことにホワイトサンズのドライブコースを抜けると、空は青空でした。相変わらず風は強かったですが。結局、砂漠で強風が吹くと砂が巻き上げられて辺り一面真っ白になってしまう…という感じなんでしょうか。

さっきまでのホワイトアウトが嘘のような晴天です。白砂まみれになった自分の身体と車のシートだけがさっきまでの惨状を物語っているのでした。

さいごに

ホワイトサンズを訪問するときは、天候だけでなく風速にも注意が必要ということですね。結局、今回はほとんど車の中で過ごすという羽目になってしまいました。しかしある意味、ホワイトサンズの砂嵐を見れたのも貴重な体験なのかもしれません。

いつかちゃんと風のない青空の下で美しい白い砂丘を見たい!とリベンジを誓ったホワイトサンズ国定公園の旅でした。

レクタングル大
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